日曜日らしく

昨日は日曜日らしくぼんやり過ごす。
お昼はお気に入りの「マルタイラーメン」を食す。家で食べるラーメンとしてはかなり上等で、たいへん美味しい。ウェブサイトを見たら、定番以外に他にこんなに種類があるとは知らなかった。
http://www.marutai.co.jp/products/
胃の腑が落ち着いたら、横になって本を読むのが日曜日の快楽。
マッサージ機にグリグリと肩や腰、背中を揉んでもらいながら、揉みによって揺れる視線でフラフラしながらも活字を追う。土曜日に買った『黒澤明の作劇術』(古山敏幸・著)を読み終える。
黒澤映画ファンにとっては面白く読める内容だろうが、しかしタイトルはいかがなものか。「作劇術」というより、「作劇の舞台裏」とでもした方がいいのではないか。
映画制作の舞台裏として面白かったが、「術」の漢字を当てるには脚本や作劇の技術を読み解き、それを伝えるといった具体性に欠けている。というより、そうしたことは目的とされていない。
原作との比較や脚本と完成した映画の比較、共作している脚本家の個性や共作におけるバランスなどの紹介は具体性もあり、黒澤映画に影響を受けた映画なども紹介され、映画鑑賞のサブテキストとしては面白い評論本かもしれない。

夕方、ただぼんやりと過ごすのも勿体ないので、より正しくぼんやりするために『バイオハザード?』を見る。以前、ソニーさんからいただいたDVDである。
期待通りにぼんやりと94分を過ごす。もっともっと杜撰な内容かと思って見ていたので、十分にぼんやりと楽しめた。

入浴しながら読書。
ムサビのゼミ生たちがあまり本を読まないということだったので、読書について書かれた良い本はないかと探していた。先日読んだ『部下の仕事はなぜ遅いのか』(日垣 隆・著)の中で紹介されていた『読書力』(齋藤 孝・著)を夕方の散歩のついでに買ってきたので、お風呂の友にする。読書の重要性について分かりやすく書かれた良い本である。書籍とのつきあい方について改めて考えさせられる。あまり本を読まない、特にお若い方には是非一読をお勧めしたい。

晩御飯を食べたら眠気が来る。眠気が来たら素直に誘われて横になる。
日曜日の正しい作法に従って気持ちよく寝て起きたら、2時間近くも経っていた。ありゃま。
DVDで映画『ロイ・ビーン』を見る。
町山智浩さんのポッドキャスト「アメリカ映画特電」で紹介されていて、たいへん面白そうだったのですぐに買ってきた。¥980で名作が買えるとはいい世の中だ。
これは滅法面白い。ムードはコミカルだが、アメリカ建国の礎となったであろう「銃と正義」による秩序、それがやがてカネと法律に取って代わられる様が寓話的なテイストで語られる。
脚本はジョン・ミリアス。右翼といわれるだけあって、銃と正義の時代が失われていくことへの怒りがよく表れている。
監督は「いい加減」といわれる巨匠ジョン・ヒューストン。大西部という割に画面が狭い印象なのは少々残念だが、演出はコミカルでユーモアに溢れていて楽しい。
音楽がモーリス・ジャールなので楽しみにしていたのだが、『ロレンス』や『ジバゴ』といった代表作ほどは印象に残らない。
役者が多彩で楽しい。冒頭に登場する牧師がアンソニー・パーキンスでいい味を出している。主人公ロイ・ビーンの妻となるヴィクトリア・プリンシパルという女優が美しくも可愛い。
途中、1シーンだけ出てくる不思議な「熊男」は監督ジョン・ヒューストン本人だそうで、奇妙なユーモアを添えている。この熊男が置いて行く熊がまたいい演技をしており、泣かせてくれる。エンドクレジットによると「ブルーノ」という熊らしい。
ロイ・ビーンが憧れ続ける女優役にエヴァ・ガードナー。私の場合、昔テレビで見た『北京の55日』と映画館で見た『大地震』の影響か、エヴァ・ガードナーというと対になってチャールトン・ヘストンが一緒に出てきてしまう。
後に権力者となるのがロディ・マクドウォール。たまたま前日に『ヘルハウス』(パメラ・フランクリンが可愛くもエロくてとってもいい)を見返したばかりだったので、連夜のロディ・マクドウォール登場に、それだけで笑ってしまった。
「あ、昨日の霊媒師がいつの間にか西部で弁護士に! そりゃインチキくさいに決まってる(笑)」
そして何より、主演のポール・ニューマンがいい。単なる独裁的な人間に陥らず、とぼけた味わいがあり、憧れの「リリー嬢」への純情さが暴力を緩和している。もっとも、その「愛すべき人間の暴力性」ってのが却ってたいへん危ない感じがするのだが。
しかし何よりも良かったのはビーンの娘、ローズ役のジャクリーン・ビセット。可愛いったらありゃしない。

よく寝て楽しく本を読んでおバカな映画を見て美味しいものを食べて面白い映画で締めくくる。たいへん良い日曜日であった。

飲み過ぎが誘う奇妙な夢

「ヒゲ」がなくなる夢を見た。
どうやら寝ぼけてすべてのヒゲを自分で剃り落としてしまったらしい。
しかし、大きなショックは感じない。
「どうしたの!?」
「いや……気分転換にさ、うん」
という、この先交わされるであろう会話のやりとりを夢の中で想像して、若干の気恥ずかしさを覚える。
間違って剃り落とした、とはどにも言いづらいらしい(笑)
改めて、ヒゲが亡くなった自分の顔を鏡でよく見てみる。
そこにはよく知っているのに「知らない人」がいた。
「こんな顔だったんだ……」
その違和感は、たとえて言えば、免許証と本人とのズレをもっと大きくしたような感じである。
「これはこれで……いいのか」
と思いつつも一方でこうも思う。
「また伸ばそうっと」

どういう夢なんだか(笑)
何かが「失われた」と見るのか、それまでとは「違う」と見るのか、解釈が分かれるところだが、それほど「しまった!」と感じたわけではないし、「知らない人みたいだ」という印象が何より大きかった。きっと新年度に入ってムサビで新しい仕事も始まったり、新作のシナリオで色々な試みをしたり、あるいは新しい人間関係が生まれたり変化が生じていることに関係しているのかもしれない。
にわか夢判断はこのくらいにしておこう。

昨日は新宿で「十年の土産」準備・運営スタッフで集まって飲み会。場所は勿論おなじみ新宿「上海小吃」。
展覧会が終わってすでに一ヶ月。「打ち上げ」というよりは「同窓会」みたいだ。
19時スタートで、まずは持ち込んだシャンパンで乾杯。
「お疲れさまでした」
という言葉も時期的に大きくピントがずれている気もするが、あくまで「名目」は「十年の土産」の打ち上げである。
正確に言えば「打ち上げの打ち上げ」。
飲むための名目は何でもよろしい。なにがしかの名目でもないと、声をかける範囲が際限なく広がって収拾がつかなくなる。
それでも総勢十数人。
19時から飲んで食べて喋って、気がつけば2時。
喋り疲れたし酒も飲み過ぎたが、たいへん賑やかで楽しい時間だった。
「十年の土産」がなければ、お客さんとの関係が生まれなかったことは勿論のこと、この日集まった画廊関係の人たちやお手伝いいただいた方々、マッドハウスの営業系の人たちともこれほど親しくなることはなかったであろう。
中には、特に親密になられた人たちもいるようで、春に相応しい話である。よきかな。

近年になって、制作現場の人間以外と飲む機会が増えてきた。それまでは、アニメーターや制作といった、仕事上身近な人たちと酒席を共にするのがほとんどだった。
監督という立場上、スポンサーや配給、営業系の人たちとの接触も多くなるし、学校関係の方々やメディア・イベント出演、あるいはウェブサイトが契機となってつきあいが生まれることもある。
こうして実際に自分の仕事が外部へ拡張しているせいもあるし、それに刺激されて意識そのものが外部へも指向してきているのであろう。
制作現場系の人間との飲み会では、話題はほとんど仕事がらみや映画だったりする。これはこれで馴染み深く、狭いが不快話も出来るのでたいへん楽しいものだ。一方、制作現場外部や業界外との飲み会では、大きく違う環境にある人たちの話が何より面白く、またこちらも仕事のディテールを話したところで相手にはよく分からないだろうから、自分の仕事を俯瞰して喋ることが多くなる。って、結局は仕事に関した話が多いのだが(笑)
仕事の詳細よりも、これまでの仕事の全体像などから、業界話に収まらないある種の普遍性を導き出そうとして脳が回転する。この「回路」は業界内部、というか「内輪」では育ちにくいだろうから、外部との接触によって育成されることを期待したい。
こうした意識や考え方のシフトチェンジによって、それまでとは違う角度で自分を見直す機会になる。

ああ、そうか。
だから鏡の中には「知らない人」が見えたのか。

それじゃ出来すぎの解釈(笑)
安直な解釈に飛びついてはいけないのである。

典型的な日曜日

ここのところシナリオとの格闘が続いているせいか、頭が疲れているようで、昨日は日曜日らしく昼までグーグー寝る。
睡眠時間が長くなると妙な夢を見る。
妙に生々しい夢で、起きてあれこれ考えをめぐらすが、健康的な解釈は出てきそうにない。ぼんやりと放っておくことにする。
日曜日の一食目に相応しく、鳥せいろそばをいただく。
鴨せいろの「鳥版」である。山盛りのそばをツルツルと食する。
日曜日の午後は、テレビには何も映っていないに等しく、ケーブルテレビでひとしきりニュースを見た後は見るものがない。
DVD付属の特典映像でも見てみる。
岡本喜八監督の「戦場編BOX」収録の特典ディスク「喜八監督がいた」を、見ながらそばを食べる。
ちなみに、このBOXに収録されている映画は『独立愚連隊』『戦国野郎』『赤毛』『独立愚連隊西へ』『血と砂』。『愚連隊』と『愚連隊西へ』はDVD購入以前に見ており、特に『愚連隊西へ』が大のお気に入り。見て気分の良くなる日本の戦争映画は希有ではなかろうか。
『赤毛』や『血と砂』もたいへん面白く観た。
たまたま先日、やはり岡本喜八監督の『斬る』『大菩薩峠』を続けて観たせいもあって、最近ふたたび喜八監督への興味が盛り上がっている。この2作も傑作。
これまで見ていなかったことが恥ずかしくなるくらい面白い映画だった。

さて、そばのお供の特典映像。
映像の「作りの安さ」には、見ていて少々気恥ずかしささえ覚えるが、喜八監督を敬慕するスタッフの創意工夫であり、熱意であると解釈しておく。
関係者のインタビューや仕事場の風景などに、喜八監督の人柄や仕事に対する姿勢が感じられる。
喜八監督といえばいつも全身「黒い服」、そして「ヘビースモーカー」。親近感を覚える(笑)
自宅の3階に作られた、屋根裏部屋のような仕事場で、シナリオを毎日30枚(ペラ=200字詰め原稿用紙)書いていた、という話に驚かされると同時に、我が身が情けなくなる。
毎日30枚。
うーん……シナリオで頭が疲れているなんてとても言えなくなる。
「よし!私もシナリオを頑張るぞ!……明日から」

2月、3月と「十年の土産」の準備や開催で忙しく、全然本を読んでいなかった。
せめて月に10冊くらいは本を読むことにしているのだが、ペースはがた落ち。
回復を図るべく読書に勤しむようにしている。
本を読むためだけに本を読む時間を作る、という習慣はないので、たいていは何かをしながらということになる。電車の中、トイレ、風呂、寝る前が主な読書時間だが、やはりマッサージ機に揉んでもらいながらの読書は至福のとき。
休日には頭も休めたいので、脳に負荷がかからない本をセレクトする。
小田嶋 隆の出たばかりの新刊『テレビ救急箱』をお供にマッサージ。以前に出た『テレビ標本箱』の続刊である。
テレビはほとんど見ないので、扱われている題材(番組)はまったくといっていいほど分からないが、題材を扱う手つきや考え方が何より面白い。
小田嶋先生のテレビ番組に関する考察はたいへん面白いが、だからテレビを観たくなるという類では全然なく、いかにテレビ番組が腐っているのかがよく確認できる(笑)
面白いのは題材ではなく小田嶋先生である。

夜、ガイ・リッチーの新作『リボルバー』を観る。
ガイ・リッチーといえば『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』の監督である。
新作『リボルバー』は、日本では今年の初夏に公開される予定らしく、宣伝用のコメントを依頼された。今 敏なんかのコメントで宣伝の役に立つのだろうか、と思ったのだが、その映画を観たかったこともあり引き受けることにした。
その資料として送られてきたDVDである。

これは面白い。観ながら大笑いしてしまった。
ガイ・リッチーお得意の時制の入れ換えやインサート、切れのいい編集が独特のテンポとリズムを生み出している。
『ロック、ストック〜』と『スナッチ』しか観たことはないが、ガイ・リッチー監督映画は、ストーリーの推進力が面白いというよりは、シーン同士の組み合わせやシーンそのものの演出が何より面白い。シナリオも面白いが演出が勝った映画という印象。
キャスティングの妙も相変わらずで、配役の顔がとにかくいい。味のある顔を随所に配置して効果的。
映像的な思いつきを上手いこと演出に取り入れている点も笑いを誘う。
登場人物が3Dのアニメーションにすり替わる演出は、その意味はともかく効果が笑える。
たいへんアイディアが豊かな監督なのであろう。
『リボルバー』は、見終わってもよく分からない点がいくつか残るが、それらも含めて面白さにつながっているし、何より人と話をしたくなる映画だ。
何をコメントするか、少々困るが、とにかく面白い映画であった。

タイトルの表記を確認しようと思って、ガイ・リッチーについてウェブを検索していたら、ウィキペディアにこんなことが記されていた。
「最新作『リヴォルバー』も酷評された」
エエッ!?何で!?

アワビとウルトラ

この一週間ほどの間、急に忙しくなってきている。
突然仕事が降って湧いたわけでもなく、暢気にかまえていたら予定していた仕事がいつの間にか目の前に迫っていた。いつでもこうだ。
さらにいつもそうであるように、仕事というのはどうも寂しがりのようで、仕事同士はなるべく一緒になりたいらしい。
つまりいつでも仕事が重なってくる。2月はきっとエライことになりそうだ。
予定されているイレギュラーの仕事だけでも「アジア学生アニメコラボレーション」に講師として参加、「アートカレッジ神戸進学説明会」出演、「デジスタ」収録、「新文芸坐アニメスペシャル・今 敏ナイト」トークショー出演などなど。インタビューも一件あったはずだ。
もちろんこの他に新作の準備と、間近に迫ってきてしまった「あるイベント」の準備が何より忙しい。
「あるイベント」については、明日発表予定。
そして仕事だけでなく、仕事以外の予定というのも一緒になりたがるようで、彼らはついでに仕事とも仲良くしたいらしい。
つまりいつでも仕事と仕事以外の予定も重なりやすい。
暇なときはうんと暇で、忙しいときはとても忙しい。
そういうものだ。

先週から気忙しくなってきたが、であるにもかかわらず、以前から予定されていたイベント事がなくなるわけもなく(なくなっちゃ困るけど)、先週の金曜土曜と仕事以外の楽しい時間を過ごしてきた。
まず金曜日はアワビである。
かねてよりプロデューサーから「是非行きましょう」とお誘いいただいていた「あわびの源太」というエゾアワビ専門店に行き、アワビ三昧を楽しんできた。
私はアワビが好き。
実はこの「あわびの源太」、一度行ったことがある。
金曜日に行ったのは銀座にある店だが、以前、この店は札幌のススキノにあった。
一昨年’06年、『パプリカ』のプロモーションで札幌を訪れたときに「あわびの源太」で接待してもらい、満願成就を果たしたのである。
大袈裟な物言いだが、この店についての噂は以前から、ザ・マッドハウス丸山さんから聞き及んでおり、札幌に行ったら是非にとまで言われていた。私の心を捕らえて放さなくなったその店独自の調理法とはこうだ。
「アワビをすり下ろして供する」
何ということだ。歯ごたえこそ命ともいうべきアワビをすり下ろすとは。
実際口にしたときの感動は筆舌に尽くしがたい。
アワビが好きな人には、丸山さんの真似をしてこう言いたい。
「是非行くといい」
一昨年、札幌の「あわびの源太」を訪れた際もエゾアワビをふんだんに使った(というかアワビしか出てこない)コース料理を堪能したが、その時、店主は近く銀座に店を移す予定だと仰っていた。
こうした「予定」は得てして話だけで実現するものではないと、正直高をくくっていたのだが、去年本当に銀座に店を出したのである。侮ってたいへん申し訳ない。
その移転を知らせる挨拶状が、札幌にも同行したプロデューサーの元に届き、「是非行きましょう」ということになっていた次第。
少々時宜を外した新年会という名目である。

昨年銀座にオープンしたばかりの店内は、コンパクトかつ上品にまとまっている。
味については私の表現力では全然伝えることは出来ないが、たこの卵の突き出しに始まって、次々と出されるアワビの様々な料理は勿論どれも美味しい。
まずは「あわびの水貝」。
店のウェブサイトからその魅力を引用する。
「あわびの源太の命の泉とも呼べるだし汁をはり、生きた鮑を盛り込みました。中をのぞけば、そこはあなただけの日本海。」
大きく出たね、また。「あなただけの日本海」(笑)
小さな器の中に大きな世界を見る。これぞ茶室以来培われてきた日本人の心性であろうか。
「あわびのウニ焼き」もまたすごい。
「鮮度の高い生きた鮑の上に北海道産の生ウニをふんだんにのせ、秘伝のタレでじっくりと焼き
上げた究極の料理です。香ばしい生ウニの甘さが鮑のうまみとやわらかな食感をかもし出してくれます。鮑料理の中で最も贅沢な一品です。」
そりゃあ、贅沢に決まっている。
「ウニonアワビ」なんて「ゴージャスonゴージャス」の極みではないか。私がこれまで食べたものの中で匹敵するものといえば「ステーキのフォアグラ乗せ」くらいだ。
そしてそしてそして、「あわび秀飯」。これこそ勿体なくも贅沢というもの。
「生きた鮑をおろし金ですばやくすりおろし、北海道十勝産の長イモと合わせ、とろろ状に
したものを、あつあつの御飯の上にたっぷりとかけ、さらに鮑、キモ、生ウニ、海苔をのせた
最もすぐれた御飯です。」
これで美味くなかったらそりゃウソだ。
コースの料理は懐に余裕がないと難しいかもしれないが、先日店のメニューで見たら単品で確か¥5000だったはずで、これだけでも食べてみる価値は大きい。
是非、一度食べていただきたい。

「あわびの源太」ウェブサイト
http://www5a.biglobe.ne.jp/~tomo-san/

土曜日はウルトラ。
祖師ヶ谷大蔵にある円谷プロの倉庫を見学してきた。ソニーピクチャーズのプロデューサーにお誘いいただき、関係者による見学会に参加してきたのである。
初めて降りる祖師ヶ谷大蔵の駅。
そこにはウルトラマンやウルトラセブンの勇姿と共にこんな文字が。
「ウルトラな街」
ウルトラな……って(笑)
円谷プロを御輿に担いでで町おこし、ということなんだろう。アニメタウン杉並なんていうのも思い起こされるが、しかしもし自分が地元住民であったらと想像すると、「かなりいかがなものか」とも思われてくる。
小田急線のウェブサイトに写真が出ている。
http://www.odakyu.jp/80th/ultr……index.html

駅には、なんと現・円谷プロ社長ご夫妻が迎えてくれていた。
こっそりした見学会かと思ったのに意外な展開。
社長ご夫妻とは「ウルトラマン大博覧会」で初めてお目にかかったが、とても気さくで、笑顔が素敵な方々である。
円谷プロの倉庫の入り口には、ウルトラマンとミラーマンの勇姿が迎えてくれていた。
そして、なんとなんと桜井浩子さんが笑顔で出迎えてくれる。
感動だ。
去年の12月「ウルトラマン大博覧会」で初めてお目にかかり、一緒に記念撮影をしていただいたが、以来、私的なウルトラブームの高まりによって『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』のBOX買いをしてすべて見終えている私にとっては、つい先日まで我が家のテレビの中で活躍していた「ユリちゃん」「フジアキコ隊員」が目の前にいるのである。
感動ひとしお。
すごいリアリティ。
40年前の世界から現代へ一足飛びにシュワッチ。

倉庫の中には、20〜30体の怪獣たちやウルトラヒーローの着ぐるみや小道具などが並んでいる。近作のシリーズのものが多いので、私にはよく分からない怪獣が多いが、それでもこうした実物を見て思うのは、作り手たちの熱意や創意工夫である。
だが、思わず注目してしまうのはやはりあそこだ。
「おお、これが背中のチャック」
着ぐるみを操演していた役者のリアリティが一気に浮上してくる。
圧巻は、一面のガラス越しに展示されているウルトラシリーズのメカニックである。大小取り混ぜて100機以上はあろう。私が知っているのは『帰ってきたウルトラマン』、せいぜい『ウルトラマンA』くらいまでなので、ほとんど馴染みがないとはいえ、ウルトラホーク1号や3号、マットアローなどにはいたく感激する。
ミニチュアが眼前にある、そのリアリティは格別。
この日は関係者のみの見学会ということで、普段は撮影禁止の倉庫内も、「私的に楽しむ分には撮影はご自由に」。ありがたい計らいに感謝して、手当たり次第にシャッターを切りまくる。
画像をお見せできないのは残念だが、もっと残念なのはこの倉庫が失われることだ。
この倉庫に併設されているデジタルの編集室も何もかも、この土地からなくなるのだそうだ。
その背景に広がる諸々の事情は耳にしたが、それこそ「私的に楽しむ」性格のものなので、ここでは秘密。
円谷のこの倉庫がなくなるのは残念だが、しかし何より気になるのは祖師ヶ谷大蔵の街である。
円谷がここから失われたら、一体どうなってしまうのだ。
「ウルトラな街」というアイデンティティは?
宙づりとなったアイデンティティはM-78星雲に帰ってしまうのだろうか。

倉庫を後にしながら、そんな余計な心配も頭をよぎったのだが、しかし私の頭の中は帰りがけに桜井浩子さん手ずから渡していただいたウルトラグッズ土産の中身のことでいっぱいなのであった。
うう、とても嬉しい。

と、こんな雑文を熱心に書いている場合ではない。
「イベント」に備えてひたすら準備だ。

紅白湯合戦

またもや神戸に出張である。
アートカレッジ神戸の授業のためだが、今回はスケジュールの調整がつかず、いつもとは異なる曜日での授業。
今年度最後の授業で、2年生とはこれでお別れということになる。
社会での活躍を期待する。

しかし、アートカレッジ神戸での仕事も随分と長いことになっている。
レギュラーで仕事をするようになってから、かれこれ数年。
何度、神戸を訪れたことだろう。
ありがたくも来年度も講師の依頼を賜ったので、きっと今年も何度か神戸で夜を過ごすことになるのだろう。
このテキストも、ホテルの一室でキーボードを叩いて記している。
ホテルで過ごす、こういう時間は贅沢この上ない。
コンビニで買ってきたアルコールとつまみをお供にテキストを書いたり、読書をしたり。
そして、そんなプチ優雅のもう一つが「入浴剤」である。
知り合いから、宿泊先の楽しみとして入浴剤の存在を聞いて以来、私も真似して、ホテルでは日替わりであれこれ入浴剤を楽しむことにしている。
これは、かなり良い楽しみである。何か楽しい。
さてそこで今回、アルコールとつまみを確保するべく立ち寄ったコンビニで私の目を捉えた入浴剤はこれであった。
「赤ワイン風呂」¥180
たった一回の入浴に¥180というのはちょっと高いんじゃないか、と思いつつも、そこはそれささやかな贅沢というものである。
何しろその時の気分では、「ワインレッドのとろみ湯」というコピーに惹かれたのだ。
ただし「のんじゃダメ!」。
言われなくても飲まないっちゅうの。
バスタブにお湯を張り、入浴剤をサラサラと振り入れると、確かに赤ワインの香りが広がる。
「おおおおお!!」
と、思ったのは香りのせいではない。
そこに現れ出でた見かけにたじろいだのである。
「……血の池地獄」
折角の入浴の楽しみだったのに、じゃっかん気が滅入ってきた。
目の前に存在を主張する真っ赤な湯。
名づけ直してやろうじゃないか。
「リストカット風呂」
うう、ますます気が滅入る。
いかん。これでは営業妨害だ。
すいません「赤ワイン風呂」さん。
しかし頭に浮かぶのはこんなこと。
「□△□□が宣伝したら話題になるだろうにな」
そういうことを連想するなっちゅうの。
いやいや、無論そんなことで¥180を配水管に流す私ではない。
勇を鼓してザンブと湯船に浸かれば、あら不思議。
確かにわずかにとろみがある。香りは少々甘みが余計だがワインである。
「うむ。これもまたよし」
ということで、プシュッと開けた缶チューハイを飲みながら読書をしつつゆっくりと風呂に浸かってささやかな贅沢な時間を過ごしたのであった。
ただし、これだけは言える。
「私は赤ワイン風呂が似合うオッサンではない」
川島なお美じゃないんだから。

そして、その翌日。つまり今日ということなのだが、「血の池地獄」を連想するのも避けたいし、連日同じ入浴剤では芸がない、ということで昨日のイメージから一転、これである。
「ミルク風呂」
年甲斐もなく私はバカなんじゃないか。
「牛乳&スキムミルク配合 −ミルキーの香り−」
44歳にもなるこんなオッサンが「ミルキーの香り」かよ(笑)
「ミルキー」といえば「ママの味」だぞ。かなり恥ずかしいじゃないか。
パッケージの封を切るやいなや鼻腔に忍び込んでくる甘い香り。
「うわ!!ミルキーみたい」
だからそう書いてあるんだっちゅうの。
お湯に振り入れるとさらに広がる甘い香りとお湯に広がる乳白色。
心の中に「失敗?」という疑念が速攻で湧き上がるが、そんなことくらいでやはり¥180を配水管に消し去るような私ではないので、ミルキーの香りに包まれながらザンブとお湯に浸かる。
うむ。これはこれで一回くらいは悪くない。ただ、44歳のオッサンには不似合いなだけである。
「ブログのネタにでもなるだろう」
ということで、こうしてキーボードを叩いた次第である。
ちなみに、乳白色に染まる「ミルク風呂」のお供にしたのは缶チューハイではなく「赤ワイン」である。
かなり、めでたい色である。

年末年始・その7

もういい加減にしたいところだが、重ねて言う。
あけましておめでとうございます。

正月3日はお昼に起床。寝過ぎである。
正月らしい晴天の下、ヨーカ堂に買い物に出かける。この日は「舌の肥えた」ゲストが来られるので、粗相があってはならない。メニューはしゃぶしゃぶ。具材の王様である松阪牛はすでに揃えてあったが、細々としたものを買い足しておく。
帰りがけ、酒屋によってドンペリなどを買い増ししておく。

夕方近く、ゲスト夫婦が来宅。もうじき2歳のお子様も一緒である。
ありふれた感想だが、子供の成長はおどろくほど早い。一年前に見たときはほんの赤ちゃんだったのに。顔つきもしっかりして、コミュニケーションも多彩になっている。
次に会ったら大人になっているんじゃないのか(笑)
シャンパンで乾杯。
今年もよろしくお願いします。
この日のゲストは他ならぬ当ウェブサイトのリニューアルに尽力してくれた、私の高校時代の同級生である。かれこれ30年近いつきあいということになる。おやまぁ。

彼にはウェブサイトのリニューアルという個人的な仕事だけでなく、現在もう一件オフィシャルな仕事でも尽力してもらっている。
年も明けたし、発売も近づいてきたのでここで紹介させていただこう。そのオフィシャルな仕事というのはこれ。
『パーフェクトブルー』リニューアル版
発売されるのはDVDとブルーレイ。それぞれ通常版とBOX版があり、発売日は確か2月29日。今年は閏年である。
聞くところによると、『パーフェクトブルー』が劇場公開されたのは、1998年の2月28日だという。公開から10年経って、装いも新たに高画質仕様で再登場する次第。
高画質になるとは言っても、本篇に手を入れているわけではないが、その代わりに「特典」を新たに追加している。
最初にリリースされたDVD(¥7,800!)、廉価版として再発されたバージョン両方共に収録されている特典映像は、非常に丁寧に作られていたと思うしボリュームも十分であったが、さらに特典を追加したのは、すでにソフトを持っている人にも出来れば何とか一つたいへん申し訳ないけれど再びお買い上げ願いたいという発売元の願いが込められている。
新たに追加したのは以下の三点。
1・オーディオコメンタリー(演出・松尾 衡と監督による)
2・特典映像『パーフェクトブルー』講座(監督による)
3・絵コンテ本
うろ覚えで申し訳ないが、確か「1」は通常版にも収録されるはず。
「2」と「3」はボックス版のみ。
ブルーレイ版の「2」はロングバージョンとなっている。
宣伝はこのくらいにして、詳細はまた改めて紹介させていただく。

ゲストの彼にお願いしているのが、上記の絵コンテ本の編集である。コラムも書いてもらっている。
彼は編集者・ライターであり、「ファッシネイション」の主である。
http://www.fascination.co.jp/
彼はまた無類の「まめ」人間である。別に小さいわけではない。その豆ではなくてまめまめしいの「まめ」。
大学生の頃、互いに親元を離れアパート暮らしをしており、時折互いの部屋を尋ねては酒盛りをしていた。その時は私が彼の家に厄介になり、そのまま泊まらせてもらった。私が翌朝目が覚めたときに見た光景はいまでも忘れられない。
彼は、正座して自分のズボンにアイロンがけをしていた。
心底すごいと思った。
私には彼の百分の一のまめさもない。
そんな彼であるから、料理の腕も確かであり、何よりまめなのである。
この日彼が持参したお土産は、手製のローストビーフと昆布巻きであった。
さらにお土産としていただいた大吟醸の日本酒などをいただきつつ歓談。
北海道の酒として知名度もある「男山」の純米大吟醸。
彼、曰く。
「男山のくせに純米大吟醸なんてものを出して、いっちょまえの値段を取ってやがる。美味いかどうかは分からん」
屈折した郷土愛である(笑)
我々が子どもの頃、北海道では、美味しい酒や米といえば「内地(本州のこと)」ものが相場であった。それが今では温暖化の影響で北海道の米も美味しくなったというのだから、時の隔たりを感じさせるが、たかだか3〜40年でそこまで変わってしまうなど少々怖ろしくもある。
「男山」純米大吟醸は吟醸香のフルーティな味わいは「おとこやま」というより「おやま」のようだが、正月にたいへん相応しい上品な味である。ウェブで検索したところ、確かにいい値段を取ってやがる。
一升だと一万円を超えている。
これで美味しくないとさすがに怒るわな(笑)
この手の高級日本酒は好きである。ぶっきらぼうな純米酒の味なども好ましいが、吟醸酒の香り豊かな味わいもまた良い。
だいたい、私は食い物でも飲み物でも高いものは味わっておきたい方である。この根っからの田舎ものめ。
私がこれまでに口にした、いわゆる高級な日本酒で印象に残っているのは福井県の「黒龍」、その中でも最上位とされる「二左右衛門」、「石田屋」あたりだろうか。
確かに美味いが、懐具合との折り合いは甚だよろしくない。
しかし、どんなものであれ自分にとっての「リファレンス」を持つのは大事なことではないかと思っている。無論、値段が張るからといって必ずしもリファレンスとなるわけではないが、世の中には金をかけないと良くならないものは数多い。
美味しいお酒をいただいたので、こちらもさる御方よりお歳暮にいただいた日本酒も封を切ってみる。
「日本の翼」という、こちらも純米大吟醸。
私は日本酒なら基本的に純米、純米吟醸、純米大吟醸が好き。
ウェブの検索結果によると、「日本の翼(WING OF JAPAN)」というのは福井県の酒で、「日本政府専用機の初めての正式機内酒として採用」されたとのこと。
こなたもたいへん上品な味で、吟醸香の香り豊か。さながら米のワインとでもいったところか。

こんな美味しいお酒をいただいて、どうもありがとうございます。
美味しいお酒の相方となるべきつまみの類は年越しからのレギュラーとなった品々。
我が家で用意したのはロースハム、鴨のスモークやイクラなど年越しからお馴染みのオードブル、それにエスカルゴ等々。
ロースハムは以前にも記したとおり、「マイスタームラカミ」製でとても美味しいものなのだが、驚いたことにこれを何よりお気に召したのが彼のお嬢さん。まだ2歳にもならぬというのに、舌が肥えておられる。先行きが楽しみなことこの上ない。
味覚と同時に親のまめさも伝承されると尚よろしい。

つまみの類でお腹がいっぱいになりつつあったが、まだしゃぶしゃぶが控えている。
折角の食材が余るのももったいないと思いをめぐらし、さらにゲストを呼んでみる。年越しにいらしたお二人をお招きし、しゃぶしゃぶする。
私はあまりしゃぶしゃぶという食べ物に馴染みがない方だ。ポン酢もそれほど得意ではないし、ごまだれとなると苦手ですらある。
だが、この日のしゃぶしゃぶはたいへん美味しい。
食材がよいのが一番大きい理由であろうが、酸味が控えめであっさりしたポン酢のつけだれが良い。既製品のポン酢はだいたいが酸味が強く、下手をすれば甘みも鬱陶しかったりする。
さっぱりめの既製品に醤油などを調合して好みの味にして食べるのが何よりである。柚の香が少々邪魔な程度で、あっさりとしたつけだれで、食材そのものの味を楽しめる。
改めてこう思う。
「肉の味は値段次第」
正月だからこそ可能となるこんな贅沢に相応しいお供は、良質の赤ワインであり、そしてモニタには『ウルトラセブン』(笑)
こういうのを大人の贅沢というのはきっと間違いであろう。
だが、30年近いつきあいのある同級生や生まれて2年に満たないそのお子さんを交えて、40年前に作られた空想科学ドラマを見ながら美味しいものを飲んで食べる2008年の正月は、内包された時間の奥行きが感じられてまた格別である。
そして私に内包された松阪牛もまた格別なのであった。

次の正月も美味しいものを食べられるように頑張ろう。

年末年始・その6

今日から仕事始めの会社も多いようだが、まだまだ正月。
あけましておめでとうございます。

正月2日。
初夢が何だったのか、思い出せない。
悪い夢ではなかったような気がするが、仕事にまつわる夢だったらしい。
起きてすぐに頭に浮かんだのはこんな考え。
「作画がどうしたこうした」
仕事熱心というより真面目だな、私。

正月定番のお雑煮をパクパク食べながら、テレビは見るべきものなど何もないようなのでDVDを見る。ここのところずーっとウルトラシリーズを見ているが、趣向を変えて家内がセレクトしたものを見る。
『白くまピース 〜日本初・人工哺育の全記録〜』
http://www.jvcmusic.co.jp/-/Di……-5020.html
実に正月らしいじゃないか(笑)
愛らしい小熊時代のピースも微笑ましいが、白くまが驚くほどストレスに弱く、人工保育が実に困難であるとは知らなかった。なかなか面白い番組である。
我が家では家内の好みもあって、動物に関する番組がモニタに映し出されていることが多い。
年末年始、うちのテレビで最も長くチャンネルを合わせていたのは「アニマルプラネット」である。次いで「JNNニュースバード」か。
画面がピカピカしていない番組が望ましい。

この日は日がな一日、心ゆくまでダラダラする。
年賀状の表書きと年賀メールの送信以外は昼寝をしたりマッサージ機に座ったり。
ああ、正月。
夕方、武蔵境の鎮守様である杵築大社に初詣に出かける。
御祭神は大國主大神(だいこくさま)、事代主大神(えびすさま)でたいへんめでたい神々である。
御縁を呼ぶ五円、その百倍の御利益を願って500円玉を賽銭箱に投じる。
去年一年の平穏に感謝して、今年一年のあれやこれやをお願いする。
おみくじを引くと、「大吉」であった。
悪くない幸先だ。

ヨーカ堂で晩と翌日の食材を仕入れる。ヨーカ堂での買い物は楽しいものである。
このところ刺身を食べていなかったので、鮮魚コーナーを物色。良さそうな中トロとヒラメを晩の肴とする。ヒラメ大好き。
翌日にゲストをお招きする予定なので、その献立は「しゃぶしゃぶ」に定めて再び松阪牛を買い込む。財布の紐が緩くなっていることだよ。
だが、翌日のゲストは「ものすごく」舌の肥えた人なので、美味しい物を用意せねばならない。
それに諭吉だって使わなければただの紙切れだ。日本銀行発行の絵はがきは使ってこそ楽しい。
レジを済ませると、購入金額に応じて「福引き」が出来るという。
この日限りのチャンスというので、福引きコーナーに出来た長い行列の最後に並んでみる。
福引きのチャンスは7回。
福引きではお馴染みの八角形の抽選器を回す。
ちなみにこの抽選器、『アレ何?大事典』(小学館)によるとこういう名称が一般的だとか。
「ガラポン」
ホントかよ(笑)
「ガラガラ回すとポン、と玉が出るのでガラポン。単純に抽選機、ガラガラ抽選機とも呼ばれるが、語感の楽しいガラポンの方が親しまれているようだ。八角形、六角形の2タイプが」あるそうだ。「ちなみに、当たった時に鳴らす鐘は、洋鈴(ようりん)」というらしい。
ガラポン豆知識はともかく、ガラガラ回すこと7度。
派手な洋鈴を鳴らす結果にはいたらず、ハズレが6つ。一つだけ混じった黄色い玉は「500円の商品券」であった。
家内曰く。「並び賃だね」
その通り。

刺身を肴に晩酌をしながら『ウルトラマン』を見る。
子供の頃へシュワッチ!
大人なんだか子供なんだか、まったく。
12月の半ばにウルトラシリーズのボックスを買い込んだ話はこのNOTEBOOKにも記したが、以来、毎晩のごとく楽しんでいる。
すでに『ウルトラQ』は全話見終わっており、最近は『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』を交互に見ている。
『ウルトラQ』で印象に残った話数は「バルンガ」「カネゴンの繭」「1/8計画」「悪魔ッ子」「あけてくれ!」だろうか。
「1/8計画」は特に印象深く、こんな風に感じた。
「あ、これってほとんど「カルト」の話じゃないか」
当時の世相を反映した結果なのかどうかは分からないが、「カルト」や「新興宗教」、あるいは「集団詐欺」に引っかかる人々の姿によく重なっていて、夢落ちとはいえラストでも夢から覚めきらないユリちゃんの姿がけっこう不気味でよい。
『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』はまだ半分ちょっと消化したくらい。
『ウルトラマン』ではやはり名作の誉れ高い、ジャミラが出てくる「故郷は地球」やガヴァドンが出てくる「恐怖の宇宙線」が印象的。どっちも実相寺監督。
『ウルトラセブン』でも「狙われた街」など、やはり実相寺監督の回が印象的になってしまうが、これまでのところ「ダーク・ゾーン」「超兵器R1号」「ひとりぼっちの地球人」など楽しめるものが多い。やっぱり思い入れは『ウルトラセブン』にあり。
後半戦も楽しみである。

年末年始・その5

しつこいようだが、挨拶しちゃうぞ。
あけましておめでとうございます。

年明け元旦と2日は自宅でゆっくりと寝正月を決め込む。
いくらでも寝ていられそうだ。
おそらくは我が内臓たちが待遇改善を求めた結果による長時間睡眠なのだろう。
寝ている間はさすがに酒は飲まない。
よく眠るが良い、内臓たちよ。束の間の戦士の休息だ。
起きたら働け。

正月の食べ物といえば雑煮である。
元旦は、お昼に起き出して、まずは風呂に入ってさっぱりしてから早速お酒をいただき雑煮を食べる。
出汁の香りが食欲を刺激してくれる。
まったく日本人で良かった。
ああ、謹賀新年。

札幌にいる両親に電話をして年賀の挨拶。
今年もよろしくお願いします。
両親ともに元気そうで何より。
北海道の方は大雪に見舞われた年末と聞いたが、札幌の方はそうでもないという。
札幌に帰ったのは、去年の春先だったろうか。
今年はいつ帰れるだろう。

遅まきながら年賀状をプリントアウトする。
プリンタが繋がっているのは家内のマシンなので、使い勝手がよく分からないが何とか思うように年賀状を吐き出してもらう。
うん、なかなか悪くない。
年賀画像を作成したのは、12月28日の忘年会に出かける前の2〜3時間のことである。まさに泥縄。イメージ自体は前日に考えておいた。
今年はネズミ年ということで、広く言えば齧歯類の年。齧歯類といえば、いまは亡きとはいえ、我が家ではコタンである。
コタン。世界一可愛くもやんちゃなプレーリードッグであった。
コタンを偲んで年賀状の絵柄としてそのシルエットにお出まし願った次第である。正に盆と正月が一緒に来たようだとはこのことか。
なぜシルエットかというと、近頃我が家でだけ流行となっているウルトラシリーズのオープニングにちなんでいる。
イメージのレシピとしては「コタン+ウルトラ」という、私には近しいものを二つ用意してみたものの、これだけでは何とも味気ない。
少ないイメージはそれだけ出来上がりも貧相でもあり、イメージそのものが露骨となってしまって味わいに欠ける。イメージは相乗効果によって別のイメージを生むものだ。
さて。
ああでもない、こうでもないと考えをめぐらしながら、何かヒントでもないかと辞書ソフトに打ち込んでみる。
「ねずみ」
前方一致で検索した結果は意外にも随分と数が出てきた。
【鼠穴】【鼠入らず】【鼠色】……等々ネズミにまつわる言葉、その数四十数種。
ふむ。これは使えるかもしれない。
さらに後方一致で検索をかけると六十数種が出てくる。
「そんだけ数があればテクスチャに使えるだろう」
ということで、先のレシピにもう一つイメージを加えてこうなった。
「コタン+ウルトラ+鼠づくし」
後はシルエットを描きさえすれば素材は揃う。
コタンの画像を参考に、官製ハガキのフォーマットに収まりがいいようにポーズを決めて、アウトラインをなぞって清書するだけで素材は完成。
「フォトショップ」上で、スキャン画像をクリーンアップしてこれをマスクにして配色し、基本的な構図は完成。
次いで文字を並べる。
広辞苑のソフトから拾ってきた「鼠づくし」から、「鼠落とし」や「鼠殺し」などの、ネズミにとっては甚だ不穏な言葉を削除してテクスチャとして敷き詰める。
前方一致で検索されたのは以下の言葉。
鼠穴鼠入らず鼠色鼠生鼠返し鼠壁鼠紙鼠木戸鼠食い鼠倉鼠毛鼠講鼠鯒鼠ごっこ鼠米鼠小紋鼠衣鼠根性鼠刺鼠鮫鼠算鼠銑鼠茸鼠茶鼠突き鼠戸鼠戸銭鼠鳴き鼠の尾鼠蚤鼠の嫁入り鼠歯錐鼠走鼠花火鼠半切鼠半紙鼠鱶鼠舞鼠黐
そして後方一致がこれら。
藍鼠赤鼠小豆鼠甘口鼠荒鼠家鼠内鼠萱鼠川鼠絹毛鼠木鼠曲鼠銀鼠熊鼠栗鼠黒鼠毛長鼠子鼠小鼠濃鼠独楽鼠米喰い鼠子守鼠七郎鼠地鼠麝香鼠白鼠砂鼠大黒鼠田鼠旅鼠月の鼠天竺鼠尖鼠棘鼠跳鼠溝鼠濡れ鼠野鼠野良鼠畑鼠二十日鼠鳩羽鼠針鼠火鼠姫鼠昼鼠袋鼠袋の鼠葡萄鼠舞鼠谷地鼠鎧鼠利休鼠
漢字を敷き詰めると「痒い」感じがする。
これだけ揃えば十分にテクスチャとして成立するであろう。

配色のイメージはすでに決まっている。これには元ネタがある。
「アニ*クリ15」の「オハヨウ」、これのために作った「貼り込み用素材」というものがある。
「オハヨウ」に登場する部屋は元々が『パーフェクトブルー』の「未麻の部屋」がモデルになっているのだが、この室内には多数のポスターやチラシ、カレンダーなどの絵が貼られている。
近頃は権利関係も細かに整理されてきて、こうしたところに「有り物」をうっかり貼るわけにも行かないし、まして「オハヨウ」はNHKであるからして、商業宣伝的なものも不可である。
だからといって、貼り込み用の絵をすべて新作するのはあまりに労力がかかる。
ということで、家内の絵を借りることにした。
家内はフリーのグラフィックデザイナーであり、イラストレーションも仕事のうちである。時折は「パレッツ」というアーティスト集団の一員として、そのグループ展にも出品している。
それらの絵を借りることにした。
そしてそれらの絵を、「オハヨウ」の画面に馴染むように私がテクスチャなどを重ねて加工した。勝手に加工するのは気が引けたが、元のデータは「イラストレーター」で作成されており、テクスチャなどのないフラットな画面なので、そのままアニメーションの背景に貼りこむと、色面がフラットすぎて目立つのである。
借りたデータは十数点。
その中に、家内が亡きコタンを偲んで作った6枚シリーズがある。
とても素敵な組イラストだ。
これらを「オハヨウ」のために私が「フォトショップ」で加工したのが以下のものたちである。
可愛いであろう。
CotanRemixes
あくまで元のイラストを私がトリミング、テクスチャ等の加工を施したいわばリミックスである。私にはこういう絵は決して描けないしセンスもない。オリジナルはこれらのイラストに短い文章を付されており、とてもチャーミングな仕上がりになっている。

話が回り道したが、この中の3番目、上段右端の配色がとても気に入っていたので、年賀画像はこれに準ずることにした。
この配色イメージを目指して彩色し、さらに上から和紙やら錆やらのテクスチャをレイヤーとして重ねる。
かくして出来上がったのがこの画像。

08cardvisual

家内曰く、「耳なし芳一みたい」
その通り。
この画像を使って、文字は家内に入れてもらい、2008年度の今家正式の年賀状が完成。プライベート用と仕事使い用の2種類をプリントアウトする。
当ウェブサイトを始め、年賀メールに使う画像は自分で文字を入れて完成。

ウィスキーの水割りを飲みながら、あちらこちらにこの画像を添付して年賀メールを送信する。
ご無沙汰してばかりの皆様、今年もよろしくお願いします。
2008年の初日にしたことといえば、年賀状の用意と年賀メールの送信くらいで、あとはほろ酔い加減で本を読みながらマッサージ機に座ったくらいだ。
ちなみにこれがうちの「ガンダム・コックピット」ことマッサージ機である。

massager

我が家に登場したのは、『パプリカ』制作が終わった一昨年の夏頃だったろうか。
これは2代目にあたるので「ゼータガンダム」ということになるのだろうが、ファーストガンダム以外は馴染みがないので単なる「ガンダム」である。
このシートに収まっての読書は実に快適。

massagepanel

プリセットされたコースも悪くないが、パネルを開くとより細かな対応が出来るようにボタンが並んでいる。ちょっとしたコックピットの気分である。
腕のマッサージはかなり改良の余地があると思われるが、腰や背中、肩の揉み具合はけっこうなもので、空気圧で圧迫される足のマッサージもなかなか宜しい。
風呂上りのマッサージはちょっとした温泉気分である。
正月は酒と美味しいものとマッサージ三昧。
うむ、極楽じゃ。

年末年始・その4

まだまだ言おう。
「あけましておめでとうございます」

前回の続き。
大晦日といえば、クラシカルジャパニーズスタイルでは「紅白歌合戦」を視聴するということになっているが、そんなものはもう何年も何年も何年も見ていない。
だいたい何が悲しくて大晦日にテレビなど見るものか。「行く年来る年」ならいいけど。
どのチャンネルに合わせて色盲と思われるほどの極彩色が氾濫し、無駄なライトがピカピカと光っていてうっかり見つめていると癲癇を起こしそうだ。
何が省エネだ。何がモッタイナイだ。何がエコだ。
特に地上波のテレビ画面を眺めていると目が痛くなる。
しかし、忘れていた。
この年の「紅白」には我が兄上が出演しているのであった。
寺尾聰さんのバックとして出る、という情報を得ていたのだがすっかり失念していた。
薄情な弟で申し訳ない。
せめてここで声援の一つもしておこう。
「白勝て」

年が改まり平成20年。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
外に出ると星たちの瞬きが美しい。冷たい夜風が酒でたるんだ頭を引き締めてくれる。
除夜の鐘が、聞こえる。
さようなら、あまり働かなかった2007年。
いらっしゃいませ、仕事に精出すはずの2008年。
満腹していたので、年が明けてから「年越した蕎麦」をいただく。鴨せいろである。家で食べるかもせいろもまた良い。
本来、年越し蕎麦は年を越す前に食べるものだ。
ウィキペディアによると「年を越す前に食べきらなければならず、蕎麦を残すと翌年金運に恵まれないなどと言われる」そうだが、金運には元々縁がないのでどうでもいいや。蕎麦をズルズル。ああ、美味い。

大晦日、テレビは全然見なかったが、代わりに意外な物を見た。
ゲストの娘御が1話しか見たことがなく、2話を見たいということだったので、久々に『妄想代理人』を見てみた。
どこが年越しなんだか。
自分が監督したアニメーションを自宅で見ることなど滅多にないし、見ているとすぐに仕事モードになってしまう。
だが、酔っぱらってるのでそれもまた良かろうと思った。素面では辛かろう。
ご所望ということもあって最初に2話「金の靴」を見たのだが、これがけっこう面白い(笑)
制作当時はひたすら「まずい点」しか見えなかったのだが、制作からすでに3年以上経っているせいか、半分くらいは他人事のように楽しめる。
2話は一ヶ月で作ったとは思えないほど、「ちゃんと」出来ている。
背景も頑張っているし、何より作画の健闘が目立っており、イッチーの気の毒な姿が浮かび上がっている。意地の悪い話だな、まったく(笑)
ゲストの新作作画監督も一緒に『妄想代理人』を作った仲間で、彼も制作から時間が経ったせいか「笑って見られる」という。
いや、ホントホント。笑える。
過ぎたことを笑えるのは健康の証であろう。

2話を見ていたら、1話も見たくなった。
1話を見たら13話も見たくなった。
自分で言うのもなんだが、見ていて正直こう思った。
「けっこう頑張っているじゃないか」
派手さがあるわけでもないし、物足りないところは多々あるが、どのカットも工夫の形跡や担当者の労力や頑張りが見える。
何よりシナリオが踏ん張ってくれている。
調子に乗って9話と10話も見てしまった。
これがまた面白く、素直に楽しめる。
特に10話は「身につまされて」面白おかしい。ひどくたちの悪い冗談だなぁ(笑)
作っている当時は全体に軽い冗談の乗りだったのだが、改めて見るとあちこちにたちの悪い冗談が混じっているのに軽く驚いた。
『妄想代理人』を見ていたら、またテレビシリーズも作ってみたくなった。
だがだがその前に。
今年は新作長編を本格始動だ。
決意も新たにして、宴会は朝方5時過ぎお開き。
よく笑った笑った。実に楽しかった。
まことに良い年越しであった。

年末年始・その3

さぞや聞き飽きているでしょうが、あけましておめでとうございます。

前回の続き。
翌12月30日は掃除第二弾。
この日は玄関を中心に攻めてみる。
ここでもオキシクリーンの効果は絶大だ。
シュッシュと吹き付ければ流れ落ちるは茶色い滴り。そこをサッサと拭き取る。
壁たちは薄皮をはいだようにきれいになり、玄関全体が明るくなった。
玄関は家の顔。きれいにしてこそ稀人も訪れようというもの。
健気に祈ってみよう。
「アイディアがいらっしゃいますように」
床と階段も拭き掃除。
片隅にうずくまる綿埃たちは掃除機に収まっていただく。
家内が買ってきてくれた総菜パンは私の胃の腑に収まっていただき、再び掃除に挑む。
洗面所を覆った茶色の薄皮をはいだところでまたもや突然電池が切れて、大掃除は終了とする。
いたらぬ点は多々あれど、口にしてみる。
「わぁ、見違えたぞ」
確かに見違えた。しかし、疲れた。

さていよいよ大晦日。
一年間のうちに二つとあるハイライトだ。
ヨーカ堂に買い出しに出かける。今日はステーキがメインなので、奮発して松阪牛のヒレとサーロインにしてみる。私は好きだな、高い肉。
「肉の味は値段に比例する」
概ねそういう傾向に間違いないと私は断じる。魚はそういうわけにはいかない。釧路育ちの舌がそう言っている。
デザートはイチゴがよろしいか。イチゴといえば「あまおう」である。
「あまおうをもってイチゴとす」
我が家の家訓である。
その他オードブルなどはすでに用意されているので、バゲットなどを買って帰る。
一度帰宅して、さらに買い出しに出かける。
今度はアルコールだ。これがなくては始まらない。
近所の酒屋でこれも奮発してドンペリ、ジュヴレ・シャンベルタン、シャブリなどを買って準備万端。もう飲みたくなってきたわい。

この日は新作の作画監督と、ゴスロリからノーマル(といってもかなりロリな装いだが)に転じた娘さんが我が家のゲスト。
ドンペリで乾杯。
「今年一年、お疲れさまでした」
ドンペリはさすがに泡が細かくたいへん美味しい。
シャンパン・オブ・シャンパンである。
ドンペリの感想を一言で言えば次の通り。
「スルスル飲める」
さらにシャンパンをもう一本。
ドンペリばかり飲めるほど豊かではないのでヴーヴ・クリコ。こなたもたいへん美味い。
オードブルはロースハムやサラミ、鴨のスモーク、生ハム、それにキャビアや北海道のイクラ、数の子やお煮染め、サラダなどなど、和洋折衷。
加工肉は武蔵境の「マイスタームラカミ」( http://www.ham-murakami.co.jp/ )というミートショップで家内が仕入れて来てくれた物。ここのロースハムは絶品である。
鴨のスモークもしっとりしていて、たいへん味がよい。私は鴨が好き。ネギを背負いたいくらいだ。
イクラの醤油漬けは私の母親が味付けしたもので、慣れ親しんだ味である。イクラは醤油漬けに限る。塩漬けなんてもってのほかである。
キャビアにイクラにカズノコ。うう、コレステロールのオーバードーズだ。なぁに後悔なんぞ後ですればいいわい。ああ、美味い。
舌に残る魚卵の油もシャンパンでシュワーッと流れるあたりがまた気持ちがよい。
家内が開発した「モッツァレラとドライトマト、オリーブのアンチョビあえ」、「たらことチーズであえたディップ」もまたシャンパンによく合う。
さらには先日より定番となったエスカルゴ。うちでは並べたエスカルゴの上にベーコンを乗せ、パン粉をかけ、そこにオリーブオイルを垂らしてオーブンで焼き上げる……らしい。
ベーコンの塩味とカタツムリの食感が美味。モグモグ。
メインディッシュは松阪牛のステーキ。小分けにしてみんなでパクパク。
「んまい!」
驚くほどにサシが入っていて実にジューシー。口の中でとろけるとはこのことだ。
オーストラリアあたりでは霜降り肉は油が多く、不健康とされて嫌われる、と聞いたことがあるが、日本に生まれて良かったことだよ。
とはいえ、年を食ってくるとさすがにサーロインは油がきつく感じられる。やっぱりヒレが一番好ましい。

美味しい物と楽しい話題に溢れて大晦日の夜は更ける。
さよなら2007年!
モグモグ。