その1「序」

それにしても私は何故に一銭にもならないホームページ運営に一生懸命になっているのか。自分でも不思議である。
私は当HP運営のために娑婆での仕事の時間を削りかねない程に時間を使っている。仕事関係の人々の「HP更新の時間があったら、仕事をしろ」という物言わぬ冷たい非難の目を気にしながらの運営は、ただの趣味にしては肥大しすぎている気もする。
下世話に考えれば、もしHPにかかった時間を仕事に使っていれば、相当な収入になった筈でもある。銀行の残高は私に娑婆の仕事を要求しているというのに。

何故にそこまで?

それは私にも分からないし、このテキストの中でそれを探るというのも一興だ。どこまで本気だか。
ややこしい理由付けはともかく、基本的には私が楽しいと感じてしまう以上それで良いかと思って当HPを続けている。それに何よりお陰で多くの人と知り合う幸運や、いくつかの娑婆の仕事の依頼もHP経由で届けられてもいる。ありがとよ。
私が楽しめる以上、時間の許す限り今後とも精一杯HP運営を続けて参る所存ですので、読者の皆様からの益々のお引き立て、御指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。ご静聴ありがとうございました。
終わってどうする。

そもそも私が自分のHPを作ろうと思ったのは、激情エロアニメ「パーフェクトブルー」がきっかけであった。何かに付け私の運命に絡みついてくる名前だ。因果の使徒だ。
アニメーション制作期間中の格闘の日々を、何かの形で残しておきたい、というのがHP開設当初の主眼であった。結果24回の長きに渡る超大作となってしまった「パーフェクトブルー戦記」である。

元来酒の席のヨタ話として忘却の彼方に消えていくことどもを、電子の形に留め、そして次の機会にその経験と反省を役立てようと思ったわけだ。意外と前向きな態度だ。偉い。
拙い作品の言い訳をしようと思ったわけではないし、貧乏自慢だけでもなかったのだ。
この連載もまた一つの「作品」のつもりであったし、「娯楽作品」として書いていたつもりだ。実際楽しんでくれた読者の方もいらっしゃったようで、娯楽作品の面目躍如である。さすが、俺。
とは言えやはり読者はまず「私」であって、私が面白ければそれで完結した最低限のループなのであるが。

この連載は「超巨編」にも拘わらず、お付き合いいただいた素人さんには概ね好評をいただき、玄人さんの眉をひそめさせることになったかもしれない。
知ったことか。
最低限の良識は越えない節度は保っていたつもりではある。保ってない? ま、いい。

私が楽しければ、良し。基本だな。
そんなの当たり前? もっちろん。しかし自分を楽しませるというのは意外と難しいという事実はご存知か?
「私のために私が作ってやる」これがまずHPに関わる私の基本的態度である、ということをご理解いただいた上で次の回に進むとしよう。

ホームページを作ろう(笑)

あらかじめ断っておくが、これから書こうと思っているのは巷に溢れる「ホームページ事始めマニュアル」「HP制作FAQ」「アクセスを増やす小粋なTIPS」「あなたも月見草でアクセスがみるみる増える」といった類のテキストではないぞ。
htmlもまったく知らず、見栄えを良くするTIPSだのも知らない上に、そんなモノに興味すらないし、あまつさえトラフィックを重くするようなそんなモノは甚だ迷惑だとさえ思っている私が、他人にホームページを作るためのテクニックだのを伝えられるとも思っていない。
だからこの先いくらこれを読んでもホームページを作るための具体的な方法などは出てきはしないので、もしそんなものを期待している人がいたらここで読むのを止めておくれ。そういうことは巷に溢れる解説書の類にしかと書かれている。
だからと言ってこれは「カオリン�のほーむぺーじ奮闘記」などという微笑ましいものでも、「マァ君のHP制作日記」といった腹立たしいものでも、「ホームページは楽しい!」といった意味不明の啓蒙のためのテキストでもない。
これは、そう!「死に行くしかなかったホームページたちへの挽歌」なのだ!!
冗談はやめろ。

まぁ「ホームページを作ろう(笑)」と呼びかけられたあなたも困るだろうが、当HPも意外なことに開設して一年以上も経過したわけで、最近あまり書くネタもないし、HPをネタにして色々と振り返り自分の反省も込めて書いてみようという程度のものだよ。

前世の因果

今年に入ってからは実に更新が滞っている。更新の履歴を見ると、1月こそ週に1度の更新をしていたものの、2月には2回、3月4月になると1回ずつとなり、さらに5月には一度も更新を果たせぬままになっておるではないか。何と無様な。何と怠惰な。ホームページは鮮度が命と言ったのはどの口だ!?……この口だ。

忙しいのだ、娑婆の仕事が。当BBSでは何度か触れている新しいアニメーション作品、「千年女優」に取り組んでいるのだが、まったくもってこいつは私から時間ばかりを取り上げるのだ。時間の貯蓄はすってんてんだ。懐かしい言葉だな、すってんてんとは。今年になって初めて使った。
「千年女優」の状況としては現在コンテ作業なのだが、胸がすくほどの遅れを出しながら亀の歩みのように進んでいる。予想外に難しいところがある。あるからと言って私が言い訳して良いと言うことではない。私が悪い。
資料の本とタバコの煙に包まれながらコンテを進める監督の私の横では、美術監督がこつこつと設定をあげてくれているが、両輪の片側であるはずの作画監督は抱えている潜水艦アニメの作監作業が終わらず、いまだにキャラはラフ設定のままである。大丈夫か!? 早くも“作打ち”の噂も流れて……いや噂じゃなくてその予定が本当に組まれているというのに。しかもコンテの内容はどうにも前のパーフェクト何とかより難しそうだぞ……ってお前が言うな? うん。もう少し楽にしますです。
原画マンにもそろそろ声をかけなければならない時期だ。ぼつぼつと色好い返事も聞いているが、どこに魔物が潜んでいるかは分からない。パーフェクト何とかの反省を生かすのはこれからだ!!力んでどうする。先はまだ長い。
かねてから言いふらしていた「千年女優」HPだが、かけ声ばかりでなかなか立ち上げるまでには至っていない。「予算を取ってくる」と安請け合いしてくれたプロデューサーは一向に音沙汰無し。しかも現在の作業場所が仮住まいなのだ。スタジオの引越は当初聞いていた予定から既に3ヶ月ずれ込んでいるため、何かと不自由している始末。電話もない都会の孤島だ。引越の手間を考え、購入を予定している私のニューマシンも導入の目処が立っていない。今月の末にはいよいよ引越が始まるという真実味のある噂は聞いたので、来月には本格的に場所を構えてマシンを導入し、電子の世界にも作品の橋頭堡を確保する予定のつもりでいると思っているかもしれなくもない。はっきりしたことは何も言えないが、きっと実現……したい。

さて、久しぶりの更新だというのに、何のことはない自作の宣伝ということになっている。BBSでも話題に出た「海帰線」といういにしえの古文書が平成大不況の日本に今甦るのだ!!あ、初版も平成だったか。
ともかくも当ホームページで過去の作品を紹介しておいたお陰で、降ってわいた印税……いや幸運なのだ。美術出版社さんのご厚意である。ありがたい。
ご存じない方もいらっしゃるかもしれないが、前世の私は漫画家であった。本人はまだ漫画家のつもりはあるのだが、かつて出版された単行本が2冊とも絶版になっている現在、世間様に対して私が漫画家であることを納得させるのは難しい。時折雑誌等で私が紹介されることがあるが、ほとんどが「アニメ監督」とされており、漫画のまの字もありゃしない。私自身段々胸を張って漫画家とは言えなくなっており、漫画家と言い張ったところで「自称漫画家」とか「漫画家(笑)」という自嘲的な気持ちになる。年々職業を聞かれる度に口ごもるようになってしまい、私の外見と合わせてただの怪しげな人になってしまっている。何かこう「コーディネーター」とか「プランナー」といった内実のよく分からない仕事をしている、胡散臭い人間に見られている気がする。ちなみに税務署に提出する書類の職業区分は「美術家」というさらによく分からない業種に分類されている。誰だ私は一体。
再版というのは初めての経験だが、これといって本文には手を入れなかった。気の向いたところだけ気持ちだけペンを入れたりしたが、先にも書いたように本格的に手を入れる時間はアニメに取られているので、表紙を描き下ろすのが精一杯であった。
当HPの読者に一足先にご覧に入れよう。

newjacket
 何か「海帰線」というよりパーフェクト何とかみたいなイメージにもなってますが、他にネタも思い浮かばなかったのでテクスチャ三昧になっております。相変わらずPainterとPhotoshopで作っております。当HPのお客様にはお馴染みの手法かもしれませんが、娑婆の仕事で使うのは初めてなので多少は新鮮な気分で描きました。自宅でプリントアウトした感じでは、そう悪くもなかったし、どちらかと言えば割りと気に入っている方です。
まぁこんな絵のついた漫画本が店頭に並んだら手にとって見て下さいな。表紙と中身の絵にギャップがあるのは、詐欺のようにも思えますが、賢明な読者諸氏においてはそのギャップに年月の隔たりを感じていただきたいものです。
それとあとがきは書き下ろし。当たり前か。とは言ってもこのあとがきは6ページに渡る大作で、体裁としては「当HPの特別増刊」ということになっている。ほとんどテキストだけど。当時のことを振り返って過酷だった連載の裏側を想像していただけると良いかと思います。
近頃文章を書いていなかったので、言葉が出なくて困ったな。ひらめきのお通じが悪くなっているのかしら。たまにはHPで駄文でも連ねておいた方が良さそうだ。暇があればの話。
ということで新装「海帰線」はオリジナル版より一回り大きくなって、6/25に発売予定です。懐に余裕のある方は金を恵んでやるくらいのつもりで本を手にしてレジに行って下さい。¥1,200(消費税別)だそうです。ちょっと高いかな。

平等にしなさい

今月の頭であったか。就職において、男女はすべからく平等になったそうだ。男女雇用機会均等法、という法律だ。お役所が大好きな平等とやらが理不尽なまでに謳われているのであろう。

保母、スチュワーデス等というくくりで募集広告は出せなくなったのだそうな。保育士であり客室乗務員、ということになるのだとか。それはそれで誠に結構なことであろう。男性の職場に、女性が元気に進出している昨今、女性の職場に男性が忍び込んで……いや、混じるというのも自然な流れであろう。
差別はあってはならない。ならないからと言って、存在しないわけでは勿論無いが。
しかし差別ではなく、区別はあっても然るべきではないかと思うのだ。
身体的差異は区別されるべきであろう。
どうするのだろうか、ソープランド嬢やキャバクラ嬢などの特殊な専門職は。そんなところまで平等にされては、おかしなことになりはしないか。
種馬の立場はどうなるのだ。動物には適用されないのか。
悪徳政治家などがお気に入りの芸者などはどうなるのであろうか。からりと障子を開けて男の芸者が入ってきて、初めて気がつくのであろうか。よせば良かった、と。
相撲などはならないのか、雇用が均等に。国技なのだから是非ともお願いしたい。

おしなべて平等を推進すると、固有の文化すら破壊しかねないのではないか。そもそも文化はよそから見れば甚だ理不尽なものである。例えば相撲をするのに、なにゆえ丁髷の必要があるのか。必要はなくても、そういうスタイルである、それが文化なわけだ。今後も相撲は丁髷スタイルを続けるはずだ。
相撲を例に続けてみる。今でもそうだと思うのだが、土俵は神聖な場所であるから女人が入ってはならない、ことになっている。これは差別である。
女人を不浄だとするのは、何も相撲に限ったことではないし、昔の山岳信仰などにも見られるはずだ。富士山だって、江戸時代までは女人の入山は禁じられていた、と聞いたことがある。
そうした女人を不浄とする文化を是としているわけでは勿論無いし、改善されるべき点は多かろう。とは言え平等を広める法律をおしなべて全ての物に平等に適用することはできないと思える。
しかし、現実的には良いことの方が多いのであろうな。男女の雇用の機会が均等になるということは。
これから先もさらに男女の権利が平等にされて行くことは、正しい世の中の流れなのであろう。様々な局面において、平等という錦の御旗の威光と、引き起こされるいびつなせめぎ合いを期待したい。

さてそんなご時世だというのにだ。妙なものを見た。
阿佐ヶ谷の駅から続く通りに中華料理屋がある。まぁまぁ美味しい店である。
その店の前を通り過ぎて違和感を覚えた。つと戻ってみると、その店の窓ガラスに従業員募集の張り紙があった。しっかりと大書してある。

「日本人募集」

いいのだろうか。
男女雇用機会といって騒いでいるというのに「日本人募集」……って。男女の差別とかいう以前の問題ではないのか。
日本にいる外国人の就職を受け入れる会社がなくて苦労しているというのに、中華料理屋がそんなことでよいのだろうか。
これが「日本語が出来る方」「日本国籍を持っている人」などといえば理解もできるのだが、「日本人募集」なのである。どうしても「日本人」が必要なのだ、きっと。
しかし、にわかには想像がつかないのだが、日本人であることが最低限の条件などというものがあり得るのだろうか。謎だ。

あの募集広告がいつまで貼られているのか、今後の行く末を見守るとしよう。

不完全版

この頃それほど驚く、という経験がなかったのだが、これには驚いた。

3/20、某劇場アニメが公開されたのである。
劇場アニメーションが劇場において封切り日に公開されるのはごく当たり前のことである。驚くにはあたらない。
しかしつい先日まで「公開には間に合わない」と業界関係者が胸を張って広言していたアニメーションが、封切り日に立派に公開されたとなるとかなり驚く。はっきり言って私などは自分の目を疑ったと言っても良いほどだ。
「公開を飛ばす」ことになる。誰もがそう信じていたのだ。勿論私のような当該作品とは関係のない人間だけかもしれないが。
口さがない業界人の噂話、ではあったが漏れ聞く進行状況から察しても誰もがそう思わざるをえない状況であった。
今月の頭のことであったろうか。業界の友達と酒を飲んだおりに、某アニメ会社の机にとんでもなくひどいレイアウトが山のように積んであった、という話を聞いた。当該作品のレイアウトが、である。その他にも隣の国に原画を何百カットもばらまいたという気の毒な話も聞き及んでいた。
当HPのバカ戦記をご覧になった方なら多少は想像がつくかもしれない。日本のアニメーションは勿論お隣の半島の国によって支えられている。しかしそれはあくまで動画・仕上げ段階を請け負ってもらっているのであって、その前段階である原画のレベルについては少々難がある。いや、正確に言えば「少々」どころではない。
テレビシリーズのアニメーションならともかく、曲がりなりにも劇場アニメーション作品でお隣の国の原画が大量に使われては甚だ困る。そのレベルである。
それが大量に投入された劇場アニメーションのフィルムを想像するだけでも、当該作品の監督やスタッフの胸中は察するに余りある。しかし事態はそれどころではないらしいことが判明してきた。
3/19のことである。夕刊を読んでいて、まず驚いた。「明日公開」と銘打たれて、堂々と当該作品が大きく新聞に宣伝されている。
「ウソ!?」
冗談ではなく、私は自宅の茶の間で大声を発してしまった。
さらに翌日、つまり公開日の朝刊の映画欄には上映のタイムテーブルもしっかりと告知されていた。
「ホントかよ!?」
私はまたしても大声で独り言を発してしまった。勿論場所は茶の間だ。それはともかく。
一体どんなマジックを使ったのだ。今月の頭に未チェックのレイアウトが山のように積まれていた作品が、その3週間後に堂々と劇場で公開されるために、いかなる魔術を使ったというのだ!?
スタジオに行って、私はすかさずその話をしてみた。現在進行中の私の作品の制作担当に、である。やはり驚いてくれた。それはそうであろう。驚かないわけがない。しかも制作担当T氏は、昼間スタジオで、「当該作品の完成は夏らしい」という無責任な噂話も耳にしていたというのだから。
我々は事の真相を究明するべく、事態を聞き及んでいそうなプロデューサーのいる場所を訪ねてみたのだが、残念ながら不在であった。
しかし諦められない。探求心は旺盛なのである。
その足で我々は本屋へと赴いた。目的は「ぴあ」だ。映画館に直接聞いてみようというわけである。
考えられる事態は二つ。
どうしても公開に間に合わなくて、別な作品を上映している可能性。
この場合公開を飛ばすという失態の代償に多額の違約金を払うことになろう。しかし前日・当日の新聞に堂々と告知されている以上、別な作品を上映しているという可能性はまずあり得ない。
残る一つの可能性は、恐ろしいフィルムが上映されている、という事態。
これは想像するだに恐ろしい。
実に恐ろしい。とっても恐ろしいがとっても面白いので、あれこれと想像を膨らます。
全部色は付いているのだろうか? 話が分からないほどに欠番が出ているのではなかろうか? いやそれ以前に白味や黒味、あるいはアフレコ・ダビング用の鉛筆画のままカット、セロテープで継ぎ接ぎされたカットがあるのではないか?……等々。
業界に身をおくものとしては他人事ではない空恐ろしい事態を想像し、興味津々である。
T氏が早速上映館に電話してみた。
果たして上映はされていた。当たり前である。
T氏は素人を装って、あれこれと映画館の担当者に聞いていたようだが、いかんせん「尺は?」と尋ねたあたりでボロが出ていたようだ。素人が「尺」とは言わないだろう。作品全体の時間やカットの時間を業界では「尺」と呼ぶ。
映画館の担当者は応えたそうである。
「製作者の不手際で、不完全版での上映」である、と。
「不完全版」……どういう?……どういう風に不完全なのだ!?
制作現場の人間が不完全というならまだしも、およそ映画上映で商売している側が、少々の難点でよもや「不完全」などという言葉を口にするわけもなかろう。
作画・背景・仕上げが荒れていたところで、フィルムが揃っていれば立派な「商品」であることには違いない。ということは素人目に見ても「不完全」であることが明白な場合においてしか出てこない言葉であると考えられる。
「不完全……って、一体……!?」
まさか物見高い我々であっても、木戸賃を払ってまで見物に行くほど暇ではないし、そこまで底意地が悪いわけでもない。十分悪いって? まぁ概ね業界内の反応などこのようなものだ。鵜の目鷹の目で見るし、また同じように見られるのだ。
明日は我が身、というあな恐ろしきこともないわけではない。
当該作品の制作にたずさわっている方に対しては誠に気の毒に思う。私なら逃げ出しているかもしれない。

しかしである。アニメ業界もいつまでも構造的欠陥ばかりを言い訳にしているわけにもいくまいし、こうした不手際を真摯に反省することも必要であろう。
提灯記事ばかり書いているアニメ雑誌もこうした不始末を取り上げてみるのもたまには良いのではなかろうか。

ああ、それにしても。一体どんなフィルムで上映されているのであろうか?
見た人はいないか?

新春特大号!!その二・大バカ晦日

ところで。皆さんは如何して年を越されましたでしょうか。
私はといえば、拙宅に業界仲間をお呼びしまして賑やかに大晦日を過ごし、酒とアニメと書き初めで盛り上がらせてもらいました。
参加メンバーは、本田“師匠”雄、松原“ピエール”秀典、久保正彦、中山“温泉番長”勝一、松尾 衡夫妻、武井“ジェニー”みかる、そして女房と私の計9人。我が家のキャパとしてはギリギリの収容人員でしょうか。
年末の飲み会の折りに出されたバカ企画「書き初め」の道具を近所のイトーヨーカ堂でゲットし、飲んでる最中に思いついたら何でも書き初めてみる、といういたっておバカな飲み会となりました。
夜7時前後に集合、まずはビールで乾杯して宴会はスタート。遅れてきたジェニー嬢が揃ったところで、松尾氏が用意してくれた、

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書・松尾 衡氏
 で乾杯。美味しいですねぇ、やはり、モエ・エ・シャンドン。木箱入りの逸品。口の中にシュワーッと膨らんで泡と消える心地よさがグレート。
やはり新年を迎えるに当たっては、美味いお酒は欠かせません。“温泉番長”勝一氏が持ってきてくれた「石田屋」は4合瓶で何と1万円もする日本酒。うまい。超うまい。日本酒の王様。馥郁たる香りと滑らかさは絶品。
温泉番長はもう一本「初亀・純米大吟醸」の一升瓶を持ってきてくれたのですが、これも大変美味しいお酒とは言え「石田屋」の前にはちょっとかすんでしまい、この日は半分ほど残すことにして、後日私と温泉番長で酒盛りをして空けました。十分美味いでやんの。
ワインも数本用意し、銘柄はもう覚えていませんがチリワインのちょっと高めな赤と、さっぱりめなイタリアの白ワインはなかなか美味しかったですねぇ。
料理の方も負けてはいません。

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書・筆者
 女房が用意してくれた「豚の角煮」「洋風カツオのたたき」「すいとん」、ピエールのリクエストでジェニーが作ってきてくれたカレー、それと松尾夫人、友里恵さんが作ってきたくれた2種類のケーキ。どれも大変美味しゅうございました。特にケーキは玄人はだしな出来で参加者一同感嘆しきり。どの料理もあっという間に無くなってしまいました。みんな食べ盛りです。あ、ちなみにこの日の参加者は、一人を除いてすべて30代のいい大人です。

そしてそして何と言ってもこの日のメインディッシュは!!

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書・中山“温泉番長”勝一氏
 そうです。温泉番長が仕込んでくれた焼きプリンです。
お酒と甘い物も大好きな温泉番長は甘い物好きが高じて、自分でプリンを作ってくれたのです。上の書き初めも温泉番長の手によるものです。なかなか歯ごたえのあるプリンでしたが、味は大変美味しかったです。
また楽しい宴会にはBGVも必須アイテムです。本田師匠が持参してくれた「アメリカン・ポップ」を見ながらお酒も進みます。いいですねぇ、ロトスコープの動きは。頭で考えても真似の出来る代物ではありませんが、見ているとやはり変に気持ちよいですね。
ちなみにロトスコープとは、実際の人間に芝居をさせた物をフィルムに撮り、そこからアニメーションを起こす手法です。

さてここまでにもいくつかおバカな書き初めを紹介してきましたが、酒も回ってくる頃になると、初めは遠慮がちにしていた参加者も次々と思いついたことを書いてくれました。まずは参加者の「1998年にやり残したこと・思い出深かったこと」を紹介させてもらいましょう。

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 いきなり何でしょうか。「裏切り」とはまた穏やかではありませんね。他人を裏切ったのか、はたまた裏切られたのでしょうか。しかしよく見ると「裏切り」に遭ったことがすぐに判明します。よく御覧下さい。文字の後半にかけてのかすれ具合や紙に収まりきらない、何とも詰まった感じがやるせない思いを表しているに違いありません。辛いですね。誰の手による書なのかは伏せておきましょう。
いいですねぇ「仕事せず」。仕事をさぼってしまったのでしょうか、それとも他の事情によるのでしょうか。業界には様々な事情が入り組んでおりますからなぁ。
「日焼け」私の妻の手による書ですが、これは憧れを表しているのでしょうか。肌が弱い彼女は日光に当たるとヘタレてしまいます。永遠の夢なのでしょうか。
出ました、「激やせ」。多くの女性と中年男性の憧れの的、それは「激やせ」。切実ですねぇ。署名は「おれ」となっていますが、筆者のことではありません。温泉番長です。宴会の席上、隣に座った本田“師匠”と、「腹なんか全然出てないッスよ」「一年後には激やせしてる予定」などと言いながら、お互いに文字通りの腹のさぐり合いをする姿は大笑いです。さながら産婦人科の待合室のようです。
その“温泉番長”勝一氏は現在、本人曰く「100年ダイエット」をしているそうですが、まだその効果の程は現れていないようです。「100年ダイエット」の第一段階は、「まず思い切り飲んで食う」だそうですから、痩せるのはまだまだ先のことのようです。志半ばにして倒れないことを祈ります。
筆者も最近は下っ腹の威勢がいいようで結構張りがあります。病気でしょうか。
そう言えば、この“温泉番長”と“師匠”の「腹比べ」も大笑いでしたが、後日吉祥寺の某飲み屋で行われた、ジェニーと本田師匠の「腹筋比べ」も、まさに腹がよじれるほどの見物でした。
長年の座り仕事により体力の衰えを日々感じる年の我々ですが、そんな話題から「腹筋って何回くらい出来る?」という話題になりました。華奢な体でおよそ体力には縁のなさそうなジェニーと、使ってはいないがアブトレーナーを持ってはいる、という本田師匠が子供のような意地の張り合いになり、挙げ句に飲み屋の長椅子に寝ころんで、実際に「腹筋勝負」を始めてしまいました。他にお客がいなかったとは言え、まったく仕方がない酔っぱらいです。
一回ごとにカウントして同時に腹筋で起きあがるという勝負でしたが、結果は3回目あたりに既に見えてしまいました。負けです、師匠の。完敗。
軽い体のメリットを生かし、易々と起きあがるジェニーに対して、5回目を過ぎたあたりから師匠は足は浮き上がる体は震える、9回目を迎えた頃には反動をつけなければ起きあがることもできない上に、体の震えはさらに大きくなり、更には上体を左右に振って起きあがる始末。まるで海辺の変わった生き物を見ているようでした。
生命への危険に配慮し、10回ほどでこの勝負は中止されましたが、師匠は言い放ちます。「楽勝ッスよ、はぁ、はぁっ…」

さて次は。ははぁ、これも実感がこもっておりますねぇ。「返せ半年」。噂のジェニーです。いい年をして自ら「ジェニー」を名乗る彼女は、生まれてこの方自転車にも乗れない、という特技に加えて、一昨年の末から「結核菌」に体を蝕まれてしばらくの間入院し、退院後もしばらく仕事を休むことになってしまったそうです。気の毒ですが、本人を見ると妙に笑ってしまいます。いや冗談冗談、本当に回復して良かったです。飲み友達が一人減るかと思い心配してました。
「気をつけろクラッチ」ワーハハハ、松尾氏です。彼は去年の鈴鹿にF1最終戦を見に行った帰りに、高速道路でクラッチトラブルで車を置いて、高速バスで帰ってくる羽目になったのです。奇遇にもこの時のF1決勝では、ハッキネンとタイトル争いを演じていたシューマッハがスタートのクラッチトラブルで最後尾スタートとなってしまい、レースの見所を台無しにしてしまいました。
「バッカだな、シューマッハ」と生で見ていた松尾氏は口にしたそうなので、その祟りだったのでしょう。人を呪わ、いや、人を笑わば穴二つ、です。
これはまた生臭い話ですねぇ、「イラストはいいなぁぎゃらが」。誰あろう筆者の手によるものです。去年はパーフェクトブルー関係のイラストを含めて、随分とイラストの仕事をしました、と言うより一年間イラストで食っていたという感じかもしれません。一枚当たりの単価が良いとは言え、あまり仕事をしなかったので一昨年に比べて収入が……そんな私の台所事情を話しても仕方がありませんね。
いいですねぇ「金持ち原画せず」。金持ちというのは喧嘩も原画もしないわけですね、やっぱり。名言です。この見事な書自体は、ピエールの手によるものですが、誰のことを言っているのでしょうか。謎にしておきます。

夜中の12時を回り、とりあえずはみんなで「明けましておめでとう。今年も宜しく」の言葉を交わしますが、かと言って当然何も変わることなく引き続き飲みます。いいあんばいに酔ったところで、さて元旦の初行事です。
夜中の3時に初詣へとこぞって出かけます。うたた寝をしていた松尾夫人も無理矢理起こして出かけます。切れるほどに寒い中を、歩いて15分ほどのところにある杵築大社という神社に行き、正月くらいは神妙な面持ちで、心ばかりの賽銭を投げ入れ、額に不釣り合いなほどに巨大な願を掛け、そしてそしてお約束のお神籤タァイム!!
果たして結果やいかに。「吉」。私は素っ気なくもただの「吉」。
ただし書かれていたことはそう悪いものではなく、今年も一年概ねよろしく過ごすことが出来そうな内容。一方、確か「中吉」を引いておきながら、後日新年早々財布を無くす迂闊な人もいました。迂闊といえばそれはもう「ジェニー」の代名詞に他なりません。
またキングオブお神籤とも言うべき「大吉」を引いておきながら「願い事、叶わず」などとろくなことが書いてないジョーカーのような大吉を引き当てた人もおりました。

sho06
書・中山“温泉番長”勝一氏
 彼の正直な気持ちはこうして見事に書き初められました。“温泉番長”その人です。
ところで、この宴会の席上で書かれたすべての書き初めをここに掲載するには、あちらこちらの方面に支障を来す内容のものもあるので、「ネチケット」という検閲の名の下に、精選してお送りしていますが、何故か“温泉番長”勝一氏の作品が多く残ってしまいますね。

sho07
書・中山“温泉番長”勝一氏
 自己主張が強いのでしょうか。「俺」……って。
実は当ホームページ上でもよく使う言い回しに「さすが俺」「ナイス俺」「やるな俺」などがありますが、これらは元々“温泉番長”勝一氏のオリジナルです。「基本、俺」などとも使います。
それにしても墨跡も鮮やかに、かつ画面から溢れんばかりに書かれた「俺」の一文字ですが、見るものをそこはかとなく愉快にさせる辺りはまさに氏のお人柄が忍ばれるところでしょうか。
「マッハ」や、一見「プリン」に見せかけた「プリソ」の書にもお人柄が現れており、特に「マッハ」の言葉に不似合いなほどのひょうきんさは心の内からにじみでるような逸品。しかしそれ以前に「マッハ」という書き初めもどうかと思いますが。
そういえば“温泉番長”勝一氏の誕生花は「ちょうせん朝顔」だそうで、花言葉は「愛敬」だそうです。見事に当てられてますね。
ちなみにこの日の参加者の誕生花と花言葉を調べて発表したところ、本人と花言葉にかなりの精度で符合が見られ、一同感心しきり。侮りがたし花言葉!恐るべし花言葉!!
その花言葉で「愛らしさ」という多くの女子にとっては願ってもない称号をもらって無邪気に喜んでいたのが、他でもないジェニーです。
近頃聞いた話では自転車には乗れなくても実は特技が「縄抜け」と言い張る彼女は、かなりの変わり者かもしれません。これを読んでいる方がどれほどの数かはともかく、およそ学生時代に友達同士で体を縛り、縄抜けをして遊んだという人はおりますまい。その様子を見かけた教師がギョッとして「すわイジメか!?」という顔をしたというくらいなので、相当な縛り方だったことでしょう。別に本格的なそっちの趣味はないみたいですが。
では、その彼女の今年の抱負を見てみましょう。

sho08
書・武井“ジェニー”みかる嬢
 ……一体なんでしょう、この字は。
恐らくは「野獣」と書きたかったに相違ないでしょうが、字ィまちごうとるやんけ!!
いつも迂闊なジェニーはみんなの楽しい人気者です。
そんな迂闊なジェニーも、実は某アニメ会社の「プロデューサー」の肩書きを持っております。大丈夫なのでしょうか?
しかし嘆かわしい……嫁入り前の娘が「野獣」とは。「野獣」「縄抜け」「自転車」が彼女のキーワードでしょうか。
彼女は今年インターネット界に華々しくホームページデビューするという予定らしく、あれやこれやとHPのタイトルに思いを巡らせているようです。

>ジェニーへ どうせこのテキストを苦々しい思いで読んでいるのだろう? HPのこんなタイトルはどうだ。「縄抜けジェニーは野獣がお好き」ケケケ。

皆さんも是非是非楽しみにしていて下さいね。

一方誕生花に「おうごんはぎ」、「謙遜」という奥ゆかしい花言葉をもらった“ピエール”松原君は、「ああ女神様」「さくら大戦」などのキャラクターデザインで人気のアニメーターで、その原画の腕も実に素晴らしいというのに、花言葉の通り、態度は控えめなシャイな好男子。その彼の魂の叫びを見てみましょう。

sho09
書・松原“ピエール”秀典氏
 すまん。
実はピエールも、彼が作監を担当する作品が既に制作に入っており、いわば私とはスタッフを取り合うという間柄になっております。我が家に皆様をお呼びして楽しい時間を過ごしてはいるものの、勢い私の次の作品への協力をお願いする話題が多くなってしまい、非常に申し訳ない状態だったわけです。
売れっ子としてきっと今年も忙しい彼のことですが、去年は2台もマックを買ったようですし、今年こそこの世界に出てきてくれることでしょう。

sho10
書・松原“ピエール”秀典氏
 誕生花に「ロベリア」、そして「悪意」という花言葉で唯一本人との符合が見られなかった久保君ですが、一体何があったのでしょうか。

sho11
書・久保正彦氏
 どのような事情があったのか分かりませんが、得てしてみんなそんなものかもしれません。みんな自分が可愛いのです。仕事よりもエッチが大事なのです。右脳を手なづけられるほどの強靱な左脳を持った人は少ないのです。

sho12
書・筆者
 そうです。みんな、頭の中は煩悩でいっぱいです。除夜の鐘を聞いたところで一つとして減るものではありません。いや、煩悩は一度溺れてみないと払拭することは出来ないのかもしれません。一度進んでまみれてみましょう。そうして一度使ってみれば、自分に必要な煩悩かそうでないかが明らかになるはずです。いいんです。LD・DVDコンパチ機もダブルデッキも買うんです。AVアンプも買わなければいけませんし、新しいマックも買ってやる!ちくしょうめ。趣味でお金を稼いでいるわけではないのだ、使わねばなら……すいません、急速に煩悩が肥大してしまいました。

さてさて、ここ何年か年越しの恒例にもなっている深夜のアニメタァイム!
3年前、パーブル制作当時の年越しでは、無謀にも9時間近くに及ぶ「劇場版ガンダム」3連発でした。正に黒い三連星のジェットストリームアタックもかくやというような破壊力は、朝方には参加者をふらふらにしてしまうほどでした。
その翌年は「ガンダム」の次ですから当然「イデオン」と言うことになりました。確かこの時は「接触編」は飛ばして、「発動編」しか見なかったと思いますが、それで十分。ちなみに私はイデオンという作品は結構好きな方でした。
そして去年は「地球へ…」を鑑賞しました。アニメーション業界に携わるプロフェッショナルといっても、所詮はかつてのただのアニメファンに他なりません。ただちょっと違うのは「ここは誰それの原画で……」などとすぐに裏地嬢に話が展開する辺りが、ただのアニメファンとは違う……違わないか。
この時は恩地日出夫監督のうんざりするような実写ばりの長回しのカットに大受けでした。割れよ、カット。アニメなんだから。
そしていよいよ今回。もうこれしかないと言っても過言ではない傑作、「銀河鉄道999」。ただし鉄郎がかっこいい方。劇場版ね。
このビデオも本田師匠が持参してくれました。
やはり盛り上がりましたねぇ、999。「男には負けると分かっていても戦わねばならないときがある」なんてセリフを平気で言えちゃう大仰な世界観!!
もう巨大なメーターだらけのメカも強引な演出も、あまりに不似合いなゴダイゴの挿入歌だって何もかも許されてしまうですよ。万感です。万感の思いを込めて汽笛が鳴れば、あなた、それはもう私だって高校生に戻れるですよ。
「メーテルゥゥゥゥゥ!!」
♪さぁ行くんだぁ その顔をぉあぁげてぇ 新しい風にぃ 心をぉ……
しまった。思いだして書きながら、一人で盛り上がってしまった。

かくしてその後も下らない冗談とアルコールを消費しながら、朝の8時まで宴会は続き、ようやくお開きとなりました。毎年のこととは言え、全くもって体力を消耗する年越しでありました。
それでは最後に、やはり絵描きの書き初めらしいところもお見せしてこちらの駄文もお開きにしたいと思います。
じゃ、また来年。

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書・本田“師匠”雄氏

新春特大号!その一・所信表明

sho01
題字・中山“温泉番長”勝一氏
 もう聞き飽きている言葉ではありましょうが、とりあえず明けましておめでとうございます。
遂に1999年。ノストラダムスも黙っちゃいなかった正真正銘の世紀末です。
何が待ちかまえているのか予断を許さないこの年の初めに、抱負の一つも書いてみることにさせてもらいます。

何と言っても今年は既に動きはじめている新作が私の仕事の中心になるはず。企画が潰れないことを祈りますが、既に脚本の初稿も上がり、現在は軌道修正のためにプロットをまた練っているところ。
今回はオリジナル作品で、原案は私が考えまして、「パーフェクトブルー」でもお世話になった村井さだゆき氏に脚本化してもらってます。
お正月記念としてここにタイトルを発表してみましょう。

 「千年女優」

断っておくが松本零士のアニメじゃあない。それは「千年女王」。真似してるわけなんかじゃあ無論、ない。
内容的なことはまだ発表できませんが、私が考えているキャッチコピーは、

 「愛に生き、逢いに行く」

いい加減にしろ、お前のキャラクターじゃないだろ、などという声も聞こえてきそうですが、冗談じゃありません。本気です。
お話的には一応シリアスではありますが、かなり冗談みたいな内容で、明るいムードの作品を狙っております。しかし放っておくと暗くなりがちな私の演出ゆえ、どうなりますやら。ここ一年ほどの間に、この当バカページで培ったお気楽さが生かされることを自分でも期待しています。何事も無駄にせずに使いたいものです。
完成予定はこれから一年先、本音を言えばもう少し先になるでしょう。また、長い長い旅が始まるわけです。
肝心な作監様のめども立ちまして、「この男の絵で作品を作りたい」と私が思っていた、願ってもない人を掴まえました。嬉しいったらありゃしない。
「パーフェクトブルー」でもお世話になった大変有能な原画マンです。素晴らしい腕です。凄いです。キャラクターデザインからお願いするつもりなので期待してみて下さい。
他にも何人かの原画マンから協力して下さるとのありがたい確約もいただきまして、「パーフェクトブルー」同様スタッフには恵まれそうな気配で、大変喜んでおります。
私自身は今月からでも設定作業に入っていこうかという感じでしょうか。この作品はとにかく色々な時代背景が出てくるので、コスチュームや美術設定の量が膨大になることは間違いなく、先が思いやられるところ。
いくら何でも今回は、一人でコンテを描きながら設定も並行して作っていく、という離れ業は出来そうにもありません。私も鬼じゃありません。
どなたかコスチュームや設定等に興味のある方はいらっしゃいませんでしょうか。資料を調べて衣服や舞台背景を描いてみたいという奇特な絵描き募集中。
それとこの作品の制作最中に是非実現させたいと思っているのが、ホームページ上でのリアルタイムの制作進行記録、いわば「生戦記」。恐らく忙しくなるとそんなことをしている暇はないでしょうが、何とか実現させてみたいものです。
それと、これは別に平沢進師匠のインタラクティブライブの真似というわけでもないのですが、「在宅スタッフ」みたいなことが出来ないかと考えております。
先にも書きましたように資料や設定が沢山必要になる作品ですので、制作中に浮上した疑問や必要な資料や写真等を現場から提示し、読者の方に応えてもらおうという、他力本願な企画。無論、有益な情報提供者は「スタッフ」としてエンドロールにクレジット。もっとも、扱いはエラク小さくなるかもしれませんが。
いずれも作品のホームページを新たに作って、そこで行うつもりですが、それを管理する人間は恐らくは、また私、ということになってしまうので、こちらの方で協力してくれる奇特な方がいらっしゃるようでしたら、その節は宜しくお願いします。いや、お願いしたい。

色々と本編も制作中のお遊びの企画も盛りだくさんなこの作品のために、今年は粉骨砕身の覚悟で働きたいと思います。

98年重大ニュース─下半期─

前回に引き続き、今年後半戦を振り返ることにする。

七月はと言えば、

 「参院選で自民党惨敗 橋本首相退陣へ」
まぁ誰がなってもさして変わりはないんだろうけどさ。政治には特に疎いのでパス。

 「ヒ素カレー事件」
夏祭りのカレーだから、そうか七月の事件だったか。随分とニュースとワイドショーを賑わしてくれたな、林真須美、健治の毒夫婦。
雑誌「アエラ」の電車広告のコピー「カレーやないで、ハヤシやで」というコピーがトホホだけど、ちょっと笑わせてくれたな。
その後続々と発覚してきた保険金殺人の話は貴志祐介氏の「黒い家」(角川書店刊)を地でいくような内容であったな。怖い怖い。
このヒ素事件をきっかけに模倣犯罪が多数起こったというのも、更に迷惑な話だったな。少年凶悪犯罪も同じだが、メディアで大々的に取り上げると、「それも有りなんだ」という妙な意識が定着するのは困ったものだが、何をやっても「右に倣え」ということか。少しは頭使えよな、って犯罪はいかんぞ。

 「小渕内閣発足」
この先の展望を楽観している、なぜならオブチミストだから、などと国際的な会合の席上で平然とかましてくるような日本の代表は嫌だな。

個人的なところでは
 「PowerBook2400ゲット!」
う〜ん、うい奴。持って歩こうと思っていたが、現在は結局マッドハウスの私の机の上で、MOだのCD-ROMドライブだのが繋がれてしまって、ちっともモバイルじゃねぇでやんの。机の上狭いし。

八月の重大ニュースに、

 「iMAC発売」
とあるのだが、そんなに大問題だったのか。
私は勘違いしていたらしいな。世間的には「久々にMACらしい製品」「かわいい」などと言う感想が聞かれるし、現に大変な売れ行きだというからMACらしいよい製品なのであろう。しかしなぁ、好きになれないデザインだよな、このiMACって。
だいたい媚びすぎ。何でもかんでも可愛くすりゃあいいと思いやがって。
しかしiMACが今年の人気商品の一つに数えられるとは夢にも思わなかった。
ま、これでアップルが盛り返したのは喜ばしいことではあるのだろうが。

 「平沢進師匠、ソロ7thアルバム“救済の技法”発売!」
今年を振り返っての個人的重大ニュースの筆頭は、やはり平沢師匠に直にお目にかかれたことか。このアルバムには名前まで載せてもらったし。
8月の月末に行われた「ベルセルク」のイベントでは、私の編集したビデオをバックに生平沢師匠が歌う場面も見られて感激もひとしおであった。
この月に「惑星ピスタチオ」演出家・西田シャトナー氏の別プロジェクト、東京冒険劇団「ジャム」を見に行ったのだな。この芝居も面白かったが、今年見た芝居では何と言ってもピスタチオの「ナイフ」が一番良かった。
今年は映画よりも芝居を見に行った方が多くて、「惑星ピスタチオ」の「大切なバカンス」「ナイフ」、それと前記の「ジャム」、「劇団☆新感線」の「魔性の剣」、G2演出「こどもの一生」「止まらない12人」あたりが印象的な舞台であったか。
ビデオやテレビも含めて今年は比較的舞台芝居を多く見たような気がする。私にとっては映画を見るよりは遙かに刺激的な感じだな。

九月はこれで幕を開けたのか。

 「北朝鮮がミサイル発射」
「テポドン」であったか、ミサイルの名前は。可愛い響きの割には怖いことをしてくれたものだな。「空から来た挑戦」という、これも確かアエラの電車広告のコピーにちょっと笑ったな。
しかしよく分からない国だな、かの国も。意固地にもほどがあろうに。
どの組織や社会にも一人くらいいるんだよな、かの国みたいないじけた奴が。

 「防衛庁背任事件」
役所の連中なんかどいつもこいつも同じだな。

 「黒澤明監督死去」
個人的にも十本の指に入る今年の重大ニュースであった。当ホームページの表紙でもしばらく喪に服させていただいた。
不勉強なことに近年の作品は見ていなかったが、日本においての映画監督の第一人者と言えばやはり黒澤だと思うし、その名作傑作の数々はこれからも何度か見ることになるであろう。
ベストと言えばやはり「七人の侍」であろうが、年末、WOWOWの黒澤特集で何作品か放送するようだし、見てみようかな。
それにしても亡くなったら「偉大な監督」「世界のクロサワ」だとか、挙げ句に「国民栄誉賞」とか大騒ぎしていたが、なんだかねぇ。
とにかく黒澤明監督のご冥福を祈りましょう。

 「マグワイア ホームラン70本達成」
えらい。
メジャーリーグはステロイド剤などの使用が許可されていると言うが、オリンピックでも許可すりゃあいいのに。シューズだのウェアだのは最新科学の粋を集めて作ってるんだから、人体にも使って良いだろうに。何より、見たい。科学の力で人間がどこまでの能力を引き出せるのかを見てみたい。
きっとドーピング公認で競技をしたら、速いと思うぞぉ、100メートル走。7秒台くらいまでは行くのじゃないか。
ああ、見たい。

個人的なところでは、
 「パーフェクトブルー、ビデオ化」
いいよ、もう。

十月は何と言っても!

 「誕生日おめでとう、俺」
お祝いの言葉を贈ってくれた皆様、ありがとうございました。しかし早いよなぁ、今年でもう35歳だもんなぁ。そうだ、来年は年男だ。
さてこの10月12日は誕生日らしく立川までプライベートにライアンを見に行ったな。恐竜の見せ物が人殺しの見せ物に替わっただけの印象であったが、「凄いけど面白くない」これが昨今の映画の主流なのだろうか。
それにしても今年も映画を観なかったな。観たい映画も特になかったしなぁ。大体観たあとの感想まで想像がつきそうで、時間とお金が勿体ない感じがする。
それとこの月に新作の企画内容がフィックスしたことになっているな。タイトルだの内容は一応まだ内緒。
LD・DVD用のジャケットイラストを上げたのもこの月のことか。ファイルのサイズばかりがでかくなって、お世辞にも快適な作業というわけにはいかなかったな。100MBを越えるような仕事はうちのマシンではさすがに荷が重い。次の作品のためにも、買っちゃおうっと。新しいマシン。
その費用捻出のためにといっても良いような仕事も取ってしまったし。ちなみにこの仕事はもう終わっているので、後は私の口座に福沢諭吉が入ってくるのを待つばかりなり。イヒヒ。

 「金大中大統領来日」
韓国での日本文化受け入れは、以前からその噂を聞いていたし、今年、私自身韓国のテレビ番組の取材を受けたりもした。
「韓国で日本文化をオープンにすることについてどう思うか?」って聞かれてもねぇ。よその国の事情は知らないから、何とも答えようもないと言うのが本音。
韓国の市場が開放されて喜ぶのは日本だけのような気もするのだがな。文化的な交流は大事だろうが、では日本の多くの人間が韓国の文化を知りたがるかというとそれは甚だ疑問。日本の多くの目は西の方にしか向いてないような気がする。一部では東の文化にも目を向けているのだろうが、それも同じアジアの僚友と言うよりは、白人的見地に立った物珍しがり方という気がするのだがな。
自国の文化を大切に出来ない国が、よその国の文化を尊重することは出来ないと思いませんか。まず足下を見直したいところ。お前もな? うん。

 「横浜ベイスターズ 38年ぶり2度目の日本一」
良かった良かった。私が生まれてこの方優勝のなかった横浜には是非一度優勝して欲しかったのだ。
私自身は巨人大鵬卵焼きなので、一応は巨人ファンではあるのだが、熱烈なほどではないし最近では野球そのものを見なくなってきている。スタジオで仕事をしているとテレビは見ないというのも一因。新聞やニュースでチェックはしているが。
それに金バッカリ使って、その割には弱体化しているジャイアンツというのも魅力に乏しいことこの上ない。高橋はいい選手だけど。健気なスター、よしのぶちゃん。
横浜はやはり何と言っても、今年の流行語にも選ばれた「ハマの大魔人」佐々木だな。ああいう絶対的な力を持つ選手というのは見ていて実に清々しい。

 「横浜フリューゲルス、横浜マリノスと合併」
同じ横浜でもエライ違いだな。それにしても新チーム名は笑ったな、「横浜Fマリノス」だったか。藤子・F・不二雄じゃないんだからなぁ。
来年度は規模を縮小するチームが多いようだが、結局はサッカーバブルが弾けたと言うことか。まだサッカーが根付くような気配はなかったところに、無理矢理Jリーグを立ち上げたきらいはあったし、ブームが去るのは目に見えていたような気がする。
ゴールを上げた選手がああいう感情を前面に出したはしゃぎ方をするのは、体質的に受け付けない日本人が多いように思うのだが。なんか無理矢理表現している感じもするし。まだまだ浪花節じゃないとだめなのかもしれない。
それとスポーツといっても商売であることには間違いないし、儲からなければスポンサーが手を引くのも無理はない。
あまり他人事ではないな。作品を作るとか何とか言っても、まず商売であるし、金がなければどうにもならない。サッカーと同じでアニメも「もののけ」「エヴァ」で「アニメは儲かる」と思いこんだ連中がこぞって参入してきたのかもしれないが、「アニメが儲かる」わけではなくて「儲かるアニメもある」に過ぎないことが分かれば、資本投下はうち切られるわけだ。サッカーのチームもアニメの本数も少し減らした方がいいに決まっている。
とは言えコンサドーレ札幌が2部リーグに落ちたのはちょっと残念に思ったりもしている私。私はコンサドーレ札幌を応援しています。来季はワールドカップの立て役者、岡田監督になるということだし、再来年の昇格を目指して頑張って欲しいな。

十一月は、

 「獅子座流星群」
つい先日のことのようだな。皆さんは御覧になれましたか? 私はしばらくの間バカのように夜空を見上げておりましたが、寒さにくじけて、結局ニュース映像で堪能しました。

 「ドラフト会議、横浜高・松坂選手の交渉権、西武が獲得」
この人身売買の制度はどうにかならんのであろうか。
ここ何年かで大学生・社会人選手は逆指名という権利も保障されたようだが、結局は「子供である」という理由で高校生には球団を選択する余地がない。「将来的なことに対する判断力がない」ということなのだろうが、億単位の金を払われるというのに勝手な都合で「子供扱い」されてはいくら何でも気の毒であろう。戦力の不均衡を防止するためというが、ドラフトがその役目を果たしているとも思えないのだがなぁ。

しかし何と言っても世間を騒がせたのはこれか。
 「広末涼子、早大教育学部に合格」
ははは。どうでもいいや。

個人的なところでは
 「マックトラブル」
エライ目にあったが結果的にはまぁなんとか復旧できた。ただやりかけの仕事のデータがとんだのにはさすがに参った。バックアップしておかないとなぁ、と身をもって感じた出来事であった。
それとこのことで、いかに普段パソコンに依存した生活と思考をしているかということが露わになったな。これがないと仕事も成り立たないし、何よりパソコンを使えない状態がひどく落ち着かず不安であることがよく分かった。

 「神戸情報専門学校特別講師」
こう、すべて漢字で書くといかめしいが、何のことはない年若い生徒さんを相手に、一時間半ほど役に立ちそうにもない話をさせてもらっただけだな。
まぁこういう機会をとらえて関西方面をうろうろ出来るのは幸せなことでした。思えば去年までは大阪に行ったことは一度しかなかったというのに、今年のこの関西率の高さは突出していた気がする。ああ、また行きたいなぁ関西。喰い倒れたい。
 「多摩美大イベント」
変な月だったな。およそ専門外の喋りの仕事が二本もあったのか。

十二月は、そうか今月のことか。

 「プロ野球・ダイエーにスパイ行為疑惑」
スパイ行為の真偽はともかく、一番格好悪いのは、もしもスパイ行為をしていたにも関わらず打率に変わりがなかったということだな。

 「米・英がイラク爆撃」
米とイクラの組み合わせは最高なのだがな。イラクと米国は食い合わせが悪いようだな。

さて、今月は一体私は何をしたろうか。何の仕事をしたのであろうか。俄には思い出せないぞ。たくさん仕事をしたから思い出せないわけではない。連日の痛飲で頭がぼけているだけだろう。
そうか。某イラストの仕事をほぼ片づけて、会社の隣の席の人から○ー○ンの原画を2カットばかり頼まれたのと、そして何より新作企画「千○○○」のためのイラストを描いて、そして上がってきた第一稿シナリオをいじっていたのであった。そうなのだ。呑気にしてはいられない。来年は早々に設定作業にもかからねばならないのだ。
娑婆にしろネットにしろ多くの人と知り合う機会を得て、無形の部分では実に実りは多かったが、イラストばかり描いて、形として残った仕事としては収穫の少ない今年一年だった。しかし来年こそは仕事に没頭するのだ。次のステップに進むのだ!頑張るぞ!!オー!!

ってその前に残り1カット上げろよ、○ー○ン。

98年重大ニュース─上半期─

さてさて年末だな。何と言っても正しい年末の在り方と言えば「今年を振り返る」という、まっしぐらに後ろ向きな態度であろう。そこで安直なテレビ企画のような真似の一つもしてみることにする。

不況不況と言われた一年であった。世相に疎い私にも平成大不況の猛威は十分に伝わってきたこの一年。伝わってきたからと言って何か辛い思いをしたわけではないし、私自身は健康状態、精神状態も総じて良好、北へ西へ海外へと忙しい面もあったが概ね平穏な一年であったかと思う。
歳を取るごとに一年という単位は非常に短く思えてくるが、その間に起こった出来事を思い出すとなると意外と長くも思える。この一年の動きをにわかに思い起こすというのも骨が折れるので、ここは一つニュースサイトの「重大ニュース」でも参考にしてみる。

まず一月はと言えば。

「フリントン不倫もみ消し疑惑」
いまだに弾劾問題などで話題になっているが、手前の失態から目を逸らすのにイラクを爆撃しているようにしか見えないのだがな。どうなんでしょうか。
ルインスキーとかいう女子であったか、「葉巻」の相手は。女の趣味はあまり関心しないな。
あまねく世界に民主主義を広めるごとくに、どんな相手にも愛を押しつけると言うことか。ありがたい国アメリカ。「世界の警察」を自称しているが、“ジャイアン”にしか見えなかったりして。

「石ノ森章太郎死去」
そうか。なくなったのは今年のことであったか。本人は「萬画家」と自称していたと思うが、世間はやはり「漫画家・石ノ森章太郎死去」と報じたような気がする。
個人的には「ノ」の字なんかを入れた時点で……あ、いや、ご冥福を祈ります。

私個人としては「パーフェクトブルー」公開を控えて、イベントやらそれ用のビデオ編集やら、雑誌新聞の取材等々忙しくしていた頃だ。あんまり多くの人に会ったんで熱が出そうだったな。何を喋ったかもとんと覚えていない。
宣伝ポスター用の青い未麻のイラストを描いたのもこの月か。もう随分前のことに思われるな。
確かこの頃「実写を撮らないか」という話も来たのだが、結局私の方からフェードアウトした形になった。そりゃあ実写にも興味はあるんだが、アニメを作りたいよ、アニメを。

二月は、なんだ、これか。

 「長野冬季五輪」
ほとんど見てないから覚えてない。ベルリン映画祭参加の折りにホテルで見たジャンプの人の金メダルは多少記憶にある程度。
回を重ねるごとに胡散臭さだけが増大していくオリンピック。五輪は世界の通貨の象徴だな。
近頃では「誘致請負人」の存在まで取り沙汰されているようだし。成功報酬6億とか。あり得る話だな。
ちなみに2008年だかに大阪がオリンピックを誘致しようとしているらしいが、あまりに無理矢理な気がするし、日本でばかりやらなくて結構だ。少しはよその国に譲れ。
大阪はただでさえ金がないと言ってるのだから、やめた方がいいのではないかと思うぞ。金がないからオリンピックで一儲け、のつもりかもしれないがな。

さて個人的には二月は、ま、これか。
「パーフェクトブルー後悔!」いや「公開」
二月も末のことであったか。まぁこのことについては今までにも散々書いたことなので、今更何か言うこともない。見に行ってくれた皆様本当にありがとうございました。
公開前の「ベルリン映画祭参加」もトピックであったが、これについても「見聞記」で書いたことだし、「ベルリンのビールは美味かった」というところか。

三月は、そうか、

「大手銀行に公的資金投入」
銀行にそうそう潰れてもらっちゃあ困るし、税金を使うのも仕方がないとしても、企業努力が足りなすぎる気がするな。まず手前たちの給料減らせよ、まったく。

個人的にはこの三月は関西率が高い月であったな。
パーフェクトブルースタッフの慰安とイベントをかねた大阪・京都ツアーと、大阪公開初日舞台挨拶で二回ほど関西に出向いている。大阪はかなりお気に入り。

この月に読んだダニエル・キイス「眠り姫」は今年読んだ中でも上位にはいるかな。と言っても今年はあまり本を読んでないけれど。
今年何を読んだかよく覚えてないが、トリイ・ヘイデンの「幽霊のような子」とか世間的にも話題になった「絶対音感」なんかが印象に残っている感じか。最近読んだ「村木与四郎の映画美術・黒澤映画のデザイン」も大変面白かったな。「世界観」をたやすく口にするのは益々憚られると思う今日この頃。いや実に奥深い。
そういえば今年は一冊も漫画の本を買わなかったな。借りて読んだのも一冊あったかどうか。しりあがり寿先生の動物漫画は絶品であったが。それにしても掃いて捨てるほど漫画を買っていたことも今は昔。

四月はやはりこれか。

「郷ひろみ破局」
手前の離婚で一儲けというのだから、侮れないぜ「ダディ」。

この頃は季節のせいか、いつにも増して私の頭はボケボケだったなぁ。
「ロフトプラスワン」のイベントに出たりとかしたっけか。

五月

「ヒデ自殺」
若い女子たちがたいそう悲しんでおったな。しかしまぁ、どなたかが書いておられたが「ギタリスト」が死んで、それを悼む言葉が「いい人だったのに」ばかりというのは、ちょっとどうかと思うがな。
私には「ねこぢる自殺」の方が多少の衝撃であった。「TV.Bros」の連載はちょっとした楽しみだったのに。ご冥福を祈ります。

「インド、パキスタン核実験」
ヤダね、まったく。
先日某テレビ番組で多くの在日外国人をスタジオに招いて討論しているのを見たが、このことがやはり話題に出ていた。拙い日本語ながら懸命に自分の考えを述べる姿は尊敬に値する良い光景であった。
インドの人が言うことにゃあ、隣国との緊張関係にある以上仕方がないのだ、ということになる。核は反対だがその意見はもっともかと思われる部分も多い。世界のことを考えるより自国の防衛を考えるのは何処も同じ。自分が殺されるかもしれないときに、殺人者の家族の心配をする奴は確かにいないだろうし。
国内の企業の利益のために環境に有害な物質の規制を怠たり、かつては危険のある血液製剤を野放しにしていた国もあることだし。他人の命より手前の贅沢に血道を上げるのが相場ではないのか。
生まれてこの方戦争の危機感もなく生活してきた私には、生まれて以来戦争の緊張や、あるいは戦争そのものが身近にある国のことなど想像もつかない。アメリカの核に守ってもらっておきながら、インドとパキスタンの核のことのみをあげつらうのもどうなのかと考えさせられる。まぁとにかく核に反対することはもちろん大事だとは思うが。
蛇足だがこの番組に出ていたロンパリのオッサンは自由に日本語を使えるというのに、議論の程度はサイテーだったな。知識以前に礼節を学んでもらいたいものだな。

「タイタニックがもののけ姫の興行記録更新」
どっちでもいいや、そんなの。
ただ最近の傾向は「二極分化」が激しいそうな。超売れるものと売れないもの、になってしまい、中ヒットが減っているのだとか。確かにそういう気もする。携帯電話や電子メール等のコミュニケーションツールの大幅な普及により、口コミというもののが大きな役割を果たし、結果みんなが見たり聞いたりしている物が加速度的に売れるのだとか。なるほどいかにも、な分析でもある。
結局は「みんなと同じ」が好きなのだな。

「兄弟横綱誕生」
相撲は観客も減っているらしいし、話題作りに躍起になっている感じだな。謎の整体師だの兄弟に亀裂だの笑わせてくれることは多いが。「洗脳」の二文字が再び忙しくテレビ出演していたのもこの頃か。貴之花と元エッキシじゃぱぁぁんの何とかって人。好きにさせてやりゃあいいのに。洗脳されたからってサリンを作る類じゃないだろうに。洗脳される自由も保証されている国ではないのか。ケケ。
結局その後どうなったのだろう? 謎の整体師は。貴之花や若之花は活躍しているであろうか。相撲は見ないから分からないな。

パーフェクトブルーの舞台挨拶ということで札幌に帰省した月だな。長いこと抱えていたトレーディングカードの仕事をした覚えがある。

六月は何と言っても!

「W杯サッカー」
実に盛り上がったんだろうなぁ、世間は。浮かれ過ぎ。
私は旅先の山梨の旅館でアルゼンチン戦を見た覚えがあるし、日本の試合は全て見たような気がするが、結局全敗か。日本の思い上がりが露わになったのは大笑いであった。
その後中田のペルージャ移籍とその活躍は見ていて素直に喜ばしい気がするが、もっともこれをしてまたぞろ「世界に通用する日本のサッカー」みたいなことを言い出す機運がでてくるのであろうな。中田が通用しているだけだろうに。すぐに他人の尻馬に乗る連中にはほとほと頭が下がる。
チケット不足問題というのも笑わせてくれたな。いくら好きだからってサッカー見られないくらいで泣くなよ、まったく。わざわざフランスまで行く人間があんなに大勢いるんだから、不況と言っても恵まれた良い国だな。
ふと思ったのだが、例えばワールドカップ開催中だったら、アメリカとイギリスはイラクを爆撃することはなかったのだろうか。よしんばそういう事態になったとしても、やはりチケットが不足して、泣き出す人も多いのだろうな。平和じゃねぇか。

ということで、下半期はまた。

使い果たす

お金が入ったと言っちゃあ、欲しいモノを買い、暇が出来たと言っちゃあ遊び呆ける。正しい人間の在り方かと思われる。
確か昔ツービートのネタでアリとキリギリスの話のパロディがあったと思う。
「……夏の間に働きすぎたアリは過労で死んでいました」
あながち冗談でもあるまい。
蓄財を増やし、知識を増やすのもまた楽しいことではあるが、何事も使わないことには勿体ない。来るべき将来に備える心がけは無論大事だが、その準備のための準備が好きな人も多いようだ。遠足そのものよりも遠足の前日が一番楽しい、その気持ちは多少分からないでもないが。
何でもかんでもため込んで準備に余念のない人種というのは、意外といざというときにそれを使う勇気が無かったりするもので、周りから「勿体ない」と言われるケースが多い。
才能や豊かな技術を身につけているにもかかわらず、自分でそれを有効に使えず、周囲の「あいつがちゃんとやったら凄い」という根拠の薄い期待と羨望に本人が満足して、一生ろくな仕事が出来ない奴の一人二人はどこの業界にもいるであろう。
いや、これを読んでいるあなたはきっと違うと思いますよ。ネェ?
そういう人種は得てして実践に必要な忍耐と勇気と集中力が欠如しており、そして人前で恥をかくことに対する畏れに足がすくんで、表舞台に立つ機会を無意識に遠ざけ、結果舞台裏で来る日も来る日も来る日も来る日も不毛な寝言のような批判ばかりし続けるわけである。
いやいや、これを読んでいるあなたはきっと違うと思いますよ。ネェ?
私の知っている範囲では、特に、漫画家の古株のアシスタントや自分の作品作りの夢だけを見ちゃってるアニメ関係者などに散見される人種だ。
いやいやいや、これを読んでいるあなたは…。
まぁそんな「生涯モラトリアム」の連中の話はよいとして。
最近「最速で使い果たした」例を耳にした。
今更「獅子座流星群」の話題でも無かろうが、ある男がさして流星など見る気もないのに、その日ぼんやりと星を眺めていたそうだ。
星には願い事をするという、いにしえからの習わしに従い、彼もまた願い事をしたそうな。

「もっと流れ星が見れますように」

彼のその願いは「ら抜き表現」にも拘わらず聞き入れられ、40分ほどの間に比較的ラッキーとも言うべき「7個」の流れ星を見れたそうだ《ら抜き表現》。
いいのか?それで。

いい。